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2018年10月 8日 (月)

ミュージカル『生きる』 @ 赤坂ACTシアター

制作発表にも臨席して期待を募らせていた舞台、
もちろん我らが上野聖太くんがアンサンブルで出演してる、
「ミュージカル『生きる』」の初日を観て来た。

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詳しくは公式ページで。

相変わらず・・・たぶんずーっと変わらないんだろうけど(笑)
混迷する「赤坂ACTシアター」のロビーでは、
こんなカクテルが用意されている。

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題して「バースデーキャンドル」というもので700円だ。
他にも「たらいまわしのロールケーキ」なんてのもある。

スペシャル・ドリンクの以外にも「ぜひ」と薦めたいのがプログラムだ。
まるで劇団四季のプログラムのように読みごたえがあるし、
ホリプロらしい写真の扱いも楽しい。
一部1600円と値段は東宝的だけれど(笑)ぜひ手にしていただきたい。

上演時間も手ごろだし、ともかく間違いなく面白い作品だ。

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ミュージカル『生きる』の「面白さ」には二つのポイントがある。

ひとつは「舞台芸術」としての面白さ。

そしてもう一つは「映画『生きる』の補完作品としての面白さ」だ。
だから、映画『生きる』が大好きな人にこそ、この舞台は観てもらいたい。

まず「舞台芸術」として観ると、
その面白さの多くの部分が主役のキャスティングにある。
少なくともみかん星人が観た初日の市村正親くんは、圧巻だった。
俳優が、その役柄にまつわる事を経験している必要は無い。
「殺人鬼の役」だからと言って人殺しの経験は必要ではない(笑)
ただ、市村くん自身が制作発表の時に言っていたように、
「芝居の神様の采配」を目の当たりにする面白さがある。

観客としは、頭の隅で「どこがいっちゃんの経験なのか」と思うし、
主役を囲む俳優たちの演技の中にも「どんな影響を受けているのか」を妄想する。
まして「あの市村正親」が、末期がんを演じながらも、
どう遊ぶのかという部分にも期待する。
残念ながら初日だった事もあって市村くんはそんなには遊ばなかったが、
一幕の最後に見せる決意は、この『生きる』に掛ける彼の熱意そのものだと感じた。

 

もうひとつ、映画『生きる』を補完する作品としての面白さもある。

映画の中には、意図して物語の支線を放置し、観客に委ねる作品がある。
 (「伏線を拾い忘れる」というモノではなくて(笑))
映画『生きる』もそうした「支線を放置した映画」だ。
映画を観たことがある人なら分かるだろうけど、
「とよは、なぜ、葬儀に来なかったのか?」とか、
「光男は父親との関係をどう整理するのか」とか、、、だ。

なんとこのミュージカルでは、
この2点にちゃんとした結末を用意している。

その結末は劇場で観ていただくとして、
みかん星人はこの始末のつけ方に大変納得できたし、
この結末がとても熱い思いとして胸に迫ってきた。

 

さて、このミュージカル『生きる』は、
日本発のミュージカルとして世界に出て行くのを目論んでいる。
映画『生きる』が既に世界で名声を得ているので、可能性は高いだろう。

ただ、ミュージカルとして肝心な「メロディー」に物足りなさを感じた。
作曲したJason Howlandくんはとても素晴らしい仕事をしているし、
世界レベルで通用するミュージカルにはなっているのだと思う。
ただ、この作品には『ゴンドラの唄』という恐ろしく強烈なメロディーがあって、
それを抜きにしては成立しない。
が、残念ながら『ゴンドラの唄』に比肩できるメロディーが無かった。
設定を昭和27年とし、『ゴンドラの唄』を残すのであれば、
舞台の中に使われるメロディーの中に、
もう少し日本人の琴線に触れるようなものが欲しいと思うし、
それが在ってこそ「日本発のミュージカル」になれるのに、とも思う。

それにしても、宮本亜門演出の作品なのに、
奇をてらわずに堂々とした作品になってるのは見事だと感心した(笑)

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