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2017年5月18日 (木)

『パレード』 @ プレイハウス

東京芸術劇場の「プレイハウス」で上演中の、
ミュージカル『パレード』を観てきた。

Parade1

この「プレイハウス」劇場は大好きな劇場の一つ。

800席余りとは思えないほどに余裕を感じさせる空間は、
鉄、レンガ、木材をたくみに配してデザインされていて、
どんな演目が掛かっても「相応しい」と思える。

また、上演される戯曲も面白いものばかりで、
行くのが楽しみな劇場だ。

そこに今回掛かるのは、
1999年にトニー賞の脚本賞と作詞作曲賞をとった作品、
『パレード』が掛かっている。
「脚本」と「詩曲」が受賞している作品なので、
演出と演者が見事であれば、ほぼ成功する・・・というわけだ。

Parade3

この劇場でのお楽しみ「泡(税込1000円)」も頂いたし、
何しろ久しぶりの堀内敬子さまの舞台だし、、、
さあ、楽しもう!

楽しもう」と思って臨んだものの、、、

いや、そもそもこの作品、
観るのを躊躇っていた作品ではある。

なにしろ「実際にあった冤罪事件」を扱った作品だし、
ブロードウェイでの高評価も、
「社会的な問題と正面から取り組んでいる」
という部分への高評価が目立っていたので、
「重そうだなぁ・・・」とは思っていた。
(学生の時、映画『死刑台のメロディー』を観て大きなショックを受けた)

 

で、実際、『パレード』はとても重い作品だった。

けど、これこそが舞台芸術なのだと痛感もした。

タイトルの『パレード』という言葉が持つ「陽気」と「祝祭」の願い、
その裏にある「ファシズム」や「排他」という情念が、
終始降り注いでくる色とりどりの紙吹雪が象徴している。
(そういえば映画『イージー・ライダー』も、
 パレードかひとつのモチーフになっていたなぁ)

こうしたその中で繰り広げられる、
「南部」というバイアスがかかった「普通」、そして「価値観」。

観ているうちに、次第に息苦しくなってしまった・・・

けど、
目の前に居る(とりわけ優れた)俳優たちの演技を通して、
この事件の「本質」が、現実そのものの如くに発せられる。
そこに滲み出る様々な情念が心を鷲掴みしてくる、、、

舞台芸術とは、なんと甘美で暴力的な体験なのだろう。

 

そんな舞台の上で、
ひときわ美しく存在していたのが、堀内敬子さま。

Img_0175

この『パレード』は、
彼女の声の魅力を最大限に感じられる作品でもある。

歌う場面での、その瞬間ごとの感情が、
敬子さまの声そのものの表情となって伝わってくる。

愛を感じているとき、不安・不満を感じているとき、
そして怒りに打ち震えているときに、
「表現」ではなく、声そのものの「表情」が変化する。

こんな資質を持っているミュージカル女優は彼女だけだろう。

相手の石丸幹二くんも、もちろん良かった。
やはり、どんな役柄であれ、
主役の二人は美男美女でなければならない。

 

余りにも多くの名優たちが登場する作品なので、
このまま再演というのは難しいんだろうけど、
こういう物語を、巧い俳優をそろえて、
ミュージカルと云う「娯楽」の中で伝えることはとてもいい。

ぜひとも再演してほしいと思うけど、、、
たぶんその時は心臓がもたないんじゃないかとおもう(笑)

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