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2017年3月26日 (日)

第2回東京ミュージカルフェス スペシャルトークショー

「東京ミュージカルフェス」というのをご存じだろうか?

3月26日を「ミュージカルの日」として、
去年から開催されている。

今年は3月22日から26日までの5日間となり、
日替わりテーマを用意して、開場も日替わりで、開催された。

その最終日、26日最後のイベントは、
我らが上野聖太くんが登壇しての「スペシャルトークショー」だ。

Musical2

これは行かねばならない、、、というわけで、その模様。

テッドくんが抱えている紙にあるように、
【プログラム】の最初の方に「舞台のこぼれ話」というのがある。

我らが上野くんと麗しの花代さまは、
会場近くのシアタークリエで『キューティー・ブロンド』に出ている。
その舞台での「こぼれ話」ってことなんだけど、
なにしろ和気あいあいとしたカンパニーだとの事。

エクササイズのあれも、
かなり前から「練習しといて」と云われていたようで、
上野くんは、練習の甲斐あって?エクササイズで二役を獲得していた。

続いての「インタビュー」では、
我らが上野くんと麗しの花代さまが互いをインタビュー。
興味深いことに、この二人、
上野くんは大学生の時に、花代さまは高校3年の時に、
本格的に俳優を目指しはじめている。

やりたい事を始めるのに「遅い」という事はない、、、と云う事だね。

 

さて、テーマである、
【大劇場/小劇場ミュージカル それぞれの魅力】
について。。。

先に書いておくと、
ニューヨークのブロードウェイの劇場は、500席以上が基準。
500席未満の劇場は「オフ・ブロードウェイ」と呼ばれる。
(100席未満だと「オフ・オフ・ブロードウェイ」と呼ばれる)

『キューティー・ブロンド』が掛っている「シアタークリエ」は611席で、
このブロードウェイ基準から見ると「大劇場」になる。
浜松町にある「自由劇場」も500席あるので大劇場だ。
「小劇場」の東京代表は、六本木にある300席の「俳優座劇場」かな。

先ず「ミュージカル云々」の前に、
「小劇場での演劇」には、繊細さと、自由さがある。
そもそも『小劇場演劇』という言葉(用語)もあるほどで、
その反対語が『商業演劇』なのだけど、
小劇場には、そも学術的(アカデミック)で実験的な匂いがある。

となれば、小劇場での「ミュージカル」も自由度が高いものになる。
制作者が抱いた「この物語をこの音楽で」という思い、
「あの俳優さん、音楽家と一緒に芝居を作りたい」といった思いは、
小劇場でならば、実現できる可能性が高い。
(万一失敗した場合も、迷惑をかける人が少なくて済むし、、、とも)

登壇されていた作曲家・小澤時史氏からも、
「小劇場でのミュージカル」に関して面白い話があった。
小澤氏は『キューティー・ブロンド』の音楽監督もされていて、
上手の舞台袖の中で10人のバンドを指揮しているんだけど、
「小劇場ミュージカルは数人編成、時に3人で総てを演奏する」
という事で、つまりは器用なミュージシャンが重宝されるそうだ。

みかん星人が大好きな『BeforeAfter』も、
ピアノとギターとチェロで伴奏される作品だけど、
この3人で着信音等のSEまでやったりして、それも楽しい。

 

もちろん、
こういった「小劇場に適した器用さ」といった事は、
なによりも俳優に必要だろう。

まず何と言っても「台詞」の明瞭さが肝心だ。
当然マイクなしの生声で、怒鳴ったり囁いたりすることになる。
しかも繊細な演技の中なので、客席を向いているとは限らない。
(その昔、某『鹿鳴館』で、石丸プリンスがこれを見事にやった)

上野くんも、小劇場での演技の難しさに言及していて、
指の動き、視線、時に「匂い」までもが伝わってしまうので、
上手に「だます」事がとても難しい、、、そうだ。

 

では、「小劇場」では、このように繊細で、
パフォーマーの技量に支えられた「演劇らしい演劇」があるとして、
「大劇場」にある魅力とはなにか、、、という事になるが、
それはやはり「華やかさ」であり、「解り易さ」という事になるだろう。

高いお金を払ったのに「夢のような華やかさ」がなかったり、
小難しい事ばかりで、泣いたり笑ったりもできなければ、
そんな「演劇」は多くの人を魅了することはできないだろう。

日常を離れて物語に没頭して、泣いたり笑ったりする。
そうした歓びを間違いなく体験したければ、やはり「大劇場」だ。

 

最後に、上野くんが素敵なことを言っていた・・・

「役者として、大劇場で輝きたい」

これからの彼の、さまざまな舞台での活躍を楽しみにしたい!

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