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2017年2月16日 (木)

『彼らが本気で編むときは、』

2月25日公開の映画『彼らが本気で編むときは、』を観て来た。

詳しいことは公式ページでご覧いただこう。

Kareamu

タイトルから「編み物映画?」と思うかもしれないが、
最後に読点がついていることから推測できるように、
「編み物」について描かれている部分はほとんど無い。
もちろん「編み物王子」も登場しない。

描かれるのは、穏やかに繰り返される日常の行為。
心を込めて作られた料理や弁当。
それを、手を合わせて祈ってから、家族そろって頂く時間や、
そこで、愛する人たちとかわす乾杯の楽しさ、ありがたさ。

そうした「当たり前の日常」を丁寧にこなしてゆくのが、
どれほど大切かを描き出すことで、
この物語の軸にある「愛されるべき私」という存在が際立つ。

じつに「綺麗」な映画だ。

トランスジェンダー女性を演じる生田斗真くんが、また実に綺麗だ。
で、綺麗なのに、ちゃんと「おとこ」に見えるというところも面白い。
上に貼ったチラシ写真は、構図が巧妙に作画されていて、
生田くんが演じる「リンコ」が華奢に見えるんだけど、
映画では、パートナーの桐谷くんより「おとこ」に見えたり、
その辺りの加減もなかなかうまい。

そのパートナーの桐谷くんも、間の上手いセリフが良かった。
(ただ、全編でセリフや音のバランスが良くない印象だったのは残念)

「綺麗」という部分では、風景の描き方も巧かった。
特に桜!
満開の桜が連なる堤防を自転車で駆け抜ける場面は、
まさに「しあわせな時間」そのもので、心に響いてくる。
(それにしても、あの場面、どーやって撮影したのだろう?
 登場人物以外の人影がなかった・・・)

主要な登場人物の誰に対しても、
「その気持ち、分かるなぁ」と思えるのも良い。
とりわけ小池栄子ちゃんが演じた役どころには、
共感はできないものの、
「よく分かるよ!」と思わせてくれるその加減も良かった。

さて、
「彼らが本気で編むときは、」のその読点の続きの言葉だが。。。

みかん星人は編み物ができない(不器用なので目が揃わない)けど、
似たような行為として「刃物研ぎ」が、それだと思う(笑)

「みかん星人が本気で包丁を研ぐときは、」
うん、きっと、「そういうとき」なんだと思う。

そう、この映画で最高に巧妙なのは、タイトルだ。

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コメント

そうそう、私もタイトルの意味が分かった時に
「なるほどー」と思いました。
でもアンケートで「一番印象に残ったシーンは?」で
「税込」って書いちゃった…

投稿: P | 2017年2月17日 (金) 午後 01時03分

Pさん。

チラシなどみても「編み物映画」ですからね、、、
込められた意味に監督の強いメッセージを感じます。

「税込」は見事な返しでした(笑)
私は「キャラ弁」のエピソードが、いろんな意味で、印象的でした。

投稿: みかん星人 | 2017年2月20日 (月) 午前 09時57分

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