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2017年1月 8日 (日)

『フランケンシュタイン』 @ 日生劇場

韓国で生まれたミュージカル『フランケンシュタイン』を観て来た。

詳しくは公式ページで。

韓国で生まれたと言えば『シャーロック・ホームズ』が面白かったが、
この『フランケンシュタイン』も実によくできた物語だ。

原作も(あまり読まれてないと思うが)有名だし、
映画も(最近は作られてないが)有名だし、
なんといっても「怪物くん」のお供「フランケン」としても有名なので、
タイトルを憶えたり、漠然と印象を抱くのは難しくない。

ただ、ほんとうの「フランケンシュタイン」は、
そうした印象とはかなり異なっているはずだ。

なにしろ、「フランケンシュタイン」というのは、
あのおどろおどろしい怪物の名前ではなくて、
その怪物を作った天才科学者の名前なのだ。

この舞台では、その天才科学者「ビクター フランケンシュタイン」を
中川晃教くんと柿澤勇人くんがWキャストで演じる。
彼が生んだ怪物は、加藤和樹くんと小西遼生くんのWキャスト。
それぞれが組み合わさるので、4通りの物語が生まれる。
(実は特別な日があるので6通りなんだけどね)

001_2

初日の夜に観たのは、柿澤くんと小西くんのペア。
柿澤くんは『ラディアント・ベイビー』のあの一件以来の舞台だが、
実に見事だった。
最後の歌は、かなり難しい印象だったけど、
見事なテクニックで魅せてくれた。

小西くんも、うつけBARのママだった過去などどこへやら(笑)
怪物の怖ろしさをその全身で表現して、見事だった。

もちろん濱田さんも、壮麻さんも、ケイさんもお見事だけど、
この夜のリトル・ビクター、石橋陽彩くんが素晴らしかった。

続きの中では、物語『フランケンシュタイン』に関して。。。

先にも書いたように「フランケンシュタイン」は、
怪物を創造した天才科学者・ビクターフランケンシュタインの事。
原作は1818年に匿名で書かれたものだが、
1831年に著者:イギリス人女性・メアリーシェリーであるとして再販。
今日に伝わるのは、この1831年版だ。

で、このあたりの事は、プログラムのp.38を読んで頂きたい。
巧くまとめてあって、幕前・幕間に読むにふさわしい。

小説『フランケンシュタイン』は、
なかなか面白く深い小説なのでこの機会に読んでみるのも一興。
またEテレの「100分de名著」でも取り上げられていて、
これを読んでおくだけでも、舞台をより深く楽しめる。

小説には三人の語り手が登場し、三重の【入れ子構造】になっている。

☆一人目はウォルトンという探検家。
 北極探検の途中で一人の男と出会う。

☆その男が二人目の語り手で、彼こそがビクターフランケンシュタイン。
 彼は生命の謎を解き明かし、命を創造したと語る。

☆そしてビクターが創造した「怪物」が三人目の語り手として登場し、
 怪物が経験した悲劇と創造主・ビクターへの思いが語られる。

ミュージカル『フランケンシュタイン』にはウォルトンは登場しない。
また二幕で語られる「怪物の独白」も原作から大きく逸脱している。

しかしながら、この脚色と言うか改変が実に面白く、
まさに「舞台化のための見事な創作」だと言えるし、
この二幕で展開される世界は、原作の「入れ子構造」を思わせ、
原作を知る者にも、舞台を楽しむ者にも、
大変に巧妙で見応えのあるものになっている。

そもそも『フランケンシュタイン』という小説は、
その副題に「あるいは現代のプロメテウス」とあるように、
科学の暴走や、人間の狂気といったものをテーマにしていて、
大変に哲学的なもの。

それをこの舞台では、適宜ユーモアあふれる場面を置き、
キャスト、アンサンブルの見事なパフォーマンスも機能して、
(楽しいとは言い難いが)
見応えのある舞台にしてあるのは見事だ。

さて、
シェリー名義で『フランケンシュタイン』が出た1831年には、
フランスでユゴーの『ノートルダム・ド・パリ』が出版されている。

つまり『ノートルダムの鐘』の原作も、同じ頃の作品なのだ。

『フランケンシュタイン』と『ノートルダムの鐘』は、
それ故かどうかは分からないが、とても似ている。

かたや韓国から来たゴシックなミュージカル。
かたやメンケンとシュワンツよるメロディアスなミュージカル。

両方を一時期に観られる機会はなかなかないので、
ぜひとも見比べて頂きたい!

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コメント

こっちの遼生くんのは「ばけもの」か(笑)
https://youtu.be/ohmIlldsPNI

投稿: みかん星人 | 2017年1月 9日 (月) 午後 09時12分

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