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2017年1月11日 (水)

『キャバレー』 @ EXシアター

大好きなブロドウェイ・ミュージカル『キャバーレー』の初日を観て来た。

Cabaret

長澤まさみ嬢の「ミュージカルに初挑戦!」もあってか、
東京公演のチケットは初日前に完売し、
早々に追加公演が発表された。
その後の横浜、大阪、愛知も追加公演があって、大盛況。

もちろん長澤嬢への期待ばかりではなく、そもそも、
松尾スズキ演出で2007年に上演されたものが好評だったそうで、
その10年ぶりのリピーターが期待を寄せているのもあるだろう。

みかん星人も、ミネリ&フォッシー監督の映画が好きで、
93年には「シアターアプル」で市村くんのMCで観たし、
02年にはブロードウェイの「スタジオ54」でも観ていて、
好きなミュージカルの筆頭に挙げたい作品の一つ。

で、今回は、長澤嬢に対しては興味本位。
いちばんのお目当ては、石丸幹二くんのMCだ。

まず結論をいってしまうと、、、
石丸くんのMCは、
まるでテフロン加工のフライパンのようにぴかぴかで、
「貴公子然」としたMCにみえてしまった。

期待していた猥雑さ・卑猥さ・厭らしさは微塵もない。
洒落と自嘲とあきらめから出てくるはずの毒舌も、
石丸MCが発すると「上から目線のお言葉」に聞こえてしまう(笑)

「思った通り」と言ってしまうと身も蓋もないけど、
やはり彼にはこうした「汚れ役」というか、
「辛酸嘗め尽くした役」は似合わないように思うし、
それが特質なんだと思う。
(彼の『Sunday in the park with george』は実によかった)

一方で、話題の中心、長澤まさみ嬢は素晴らしかった。

期待してなかった分だけ良かった、、、というわけではなく、
例えば、
「キャバレーの花形歌姫」らしい力のある歌声は、
いかにも「キャバレーどまり」というニュアンスを含んでいて見事。
例えば、
アンバランスと云っても良いほどに長い手足は、
実に美しく、見事に妖艶で、綺麗な大輪の花を思わせる。
例えば、
「しあわせ」に対する畏れ、諦め、拒絶も、
最初から最後まで巧みに匂わせていて愛しくなる。

他のミュージカル作品でも、
こうして見事に演じられるのか、ぜひとも観てみたいものだ。

そうそう、、、相方の小池徹平くんも、相変わらず巧かった。
アメリカ人という役なので、もう少し身長があるといいんだけど(笑)
台詞と笑の「間」が良くて、楽しかった。

 

最後に劇場に関して・・・
EXシアター六本木は3度目ぐらいかな、、、
キャラメルボックスもここで観て、その時にも感じたのだが、
どうも音、とくに台詞の聞こえ方が妙に近い(笑)

今回はQ列とかなり後方で観たのだけど、
まるで3mぐらいしか離れてないような感じで声が届く。
だから、違和感と言うか、芝居が嘘くさく感じられる瞬間がある。
そう、テレビで舞台を観ているような気分になるのだ。
残響が少ない劇場なのかもしれない。

約1700人も収容できる大きさなのに、
客席通路が2本しかなく、サイド席の壁側に通路が無い。
シアタークリエのような小さい小屋ならまだしも、
こういう余裕のない施設は好きになれないなあ。。。

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