劇的歌謡祭「19☆80s」 @ 萬劇場
2時間強の舞台を通じて痛感したのは、
実に素晴らしい時代を経験したんだな、、、という事。
その当時には「なんてことの無い芸能」としか観ていなかったし、
80年代と言えば、みかん星人は既に成人していて、
「16だから~」
なんて歌われても、そーですか、、、みたいなものだった。
けど、50歳を超えたおやぢになって、こうして並べて聴いてみると、
どの曲も個性がある、、、歌詞にも、メロディーにも。
そしてなにより歌い手の個性に結びついていて、それはつまり、
「そのアイドルの個性・癖を核にして丁寧に楽曲が作られていた」という事だ。
そういう意味では、萬劇場のこの舞台、
登場する俳優たちの歌唱レベルが高すぎて(笑)
頭の中で、しばしば、そのアイドルの「癖」を乗せながら聴いていた。
また、我らが上野くんが、ほとんどトシちゃん系統だったんだけど、
「あの」上野聖太くんが、
「あの歌唱」と「あのダンス」をもって披露する、たとえば『哀愁でいと』は、
なんとも切なくて美しい。
なるほど、当時の女の子たちにわーきゃー言われていたわけだなと、
今更だけど、田原トシちゃんの人気の理由が分かったりした。
もう一点は、
「アーティスト」としてのアイドルについても、考えてしまった。
もう一人の上野さん、上野哲也さんが演じるのが、
「沢田研二」と「郷ひろみ」を合わせたような、
要するに1980年代初頭には「脱アイドル」をしなければならないポジション。
その彼が「俺の声を永遠に残す名曲」を求めるエピソードがあって、
なんだかとっても胸に響いた。
一曲の大ヒットに括り付けられてしまうアイドルも可哀想だけど、
大ヒットに恵まれないアイドルの方が多いのも事実。
そんな中で、「この曲で永遠の星になりたい」と願って、
ちゃんと叶えてしまうというのは、なんとも幸福だなあ。。。と。
地方から出てきて、「東京のてっぺん」取ろうとした男の子たちも、
それを叶えた瞬間の歓喜を一緒に味わえたような疑似体験もできて、
「せっかく生まれてきたのだから」みたいな事まで考えさせられた。
なかなか再演の機会はないだろうけど、
上野くんの歴史に、今までにないページが加わった、良い舞台だった。
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