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2014年12月 6日 (土)

音楽劇『から騒ぎ』 @ アルテリオ小劇場

小田急線・新百合ヶ丘駅近くに可愛い映画館+劇場がある。

『アルテリオ小劇場』という名のこの劇場には、
『しんゆりシアター』という主催上演もあって、
その中に、
『シャボン玉とんだ 宇宙までとんだ』等で知られる『音楽座』を生み出した、
横山由和氏が関わるカンパニーがある。
それが「しんゆりシアター ミュージカル カンパニー」というらしい。

そのカンパニーが「若手育成公演」として、
シェイクスピアのコメディ『から騒ぎ』を上演した。

その育成される若手メンバーの中に(笑)
来年の『レ・ミゼラブル』でアンサンブルとして活躍する王子菜摘子さんがいて、
その雄姿、、、じゃないか、、、育成具合を拝見してきた。

「音楽劇」なので、いわゆるミュージカルほどには曲が無いんだけど、
しっかりとしたシェイクスピアの台詞と、
抒情的なメロディーに乗った登場人物の思い。
そして、これが一番の魅力だったけど、
中世の地中海に生きる人々の息吹を感じるようなコーラスワークが魅力。
コーラスではまた、王子さんの高音が強くて綺麗だったなあ。

台詞は、シェイクスピアらしい「持って回った表現」の連続。
憶えるのも、発声するのも、伝えるのもなかなか難しいと思ったんだけど、
みなさん見事にこなしていた。

この舞台での、こうしたややこしいシェイクスピア台詞を聞きながら、
30年以上も前にNHKで放送されていた、
BBC制作の『シェークスピア劇場』を思い出していた。

BBCが総力を挙げて制作した一連のシェイクスピア劇は、
どれもがとても素晴らしい出来で、もちろん『空騒ぎ』もあったけど、
そのおかげでほとんどの原作を読み、
こうした「持って回った台詞」に魅了されていた。

しばらくして、映画『恋におちたシェイクスピア』を観て、
「シェイクスピア時代の演劇」にとても驚いた。
まず、舞台の上に女性はいないし、
いわゆる「大衆演劇」的な自由さというか、緩さがあって(笑)
「お芝居」を「お芝居」として楽しむ雰囲気が描かれていた。

「ああ、、、なるほど、、、だからああいった台詞が通じたのか」

と、映画『恋におちたシェイクスピア』を観て痛感したものだ。

今回の『から騒ぎ』には、そうした「お芝居を楽しむ」空気があって、
観終わった後に、とても清々しい心地よさを感じた。

この、
「演技をみせる舞台ではなく、物語を伝えるための舞台」
という雰囲気は、観客を含めての微妙なバランスの上に成り立つので、
今回のこの『から騒ぎ』は、とてもいい経験になった。

いろんな意味で、いろんな部分で、【次】が楽しみっ。

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