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2014年11月23日 (日)

『アンネ』 @ シアター代官山

「経済不況」というのは、実に厄介な状態だ。

とくに厄介なのは、そこからの回復手段が、
その経済の、その国家の「未来」に大きく影響する点にある。

日本では、昭和60年の後半から猛烈な円高になり、
輸出に頼るこの国は深刻な「円高不況」に陥ったことがある。
多くのメーカーがその頃から生産拠点を海外へと移転してしまった。
そこで政府は「内需拡大」と「円安誘導」を行ったところ、
国内に多くの資金が出回り、やがて「バブル」を生むことになった。

「円高不況」からは脱し、狂乱的な好景気になった(ように見えた)が、
「バブルの崩壊」がこの国をさらに深刻な不況にし、多くの資産が失われた。

この日本におけるバブルの崩壊の半世紀前、
ドイツには、不況を、ある「民族」のせいにしたという歴史がある。
その「不況からの脱出」がもたらした悲劇の物語が、
劇団ひまわりの舞台『アンネ』だ。

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公式ページの冒頭に、アンネの言葉が掲げられている。

私は、死んだ後でも生き続けたい。

アンネの、この強烈にして、あまりにも切ない叫びは、
「ナチスによるユダヤ人大虐殺」の悲劇の象徴だ。
では、この「ユダヤ人大虐殺」は、なぜ起きたのか?というと、
その要因の一つが、
「ドイツが大不況から脱するために、良かれと選択し、
 民主主義の正当な手続きを経て成立した政策の結末」
であるという事を忘れてはいけない。

「わたくしの名前を冠した素晴らしい経済政策の信を問う」
として、多くを後ろ手に隠したまま、数百億円をかけ、
あたかも『民主主義』を実施しているかのような手段を弄する政治屋は、
70年前に自殺したチョビゲおやじと同じようにみえる。

前回公演の時よりも、更に、今まさに、観なければならない舞台だ。

11月30日まで、恵比寿、代官山近くの「シアター代官山」にて、
アンネフランクが、今日もまだ、生き続けている!

・・・それは、ある意味、とても残念なことだけど・・・

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コメント

お金がないと生活できない。
けれど、お金のために生きるのはむなしい。
経済はどうでもいいとは思わないけど、そればかりが目標にされてしまうのは違うと感じます。
「大不況から脱するために、良かれと選択し、民主主義の正当な手続きを経て成立した政策の結末」の最も恐いところは「民主主義の正当な手続き」だったということだと思います。
争点が何かもわからない選挙で国民の関心も薄いですけど、それこそ「民主主義の正当な手続き」を道具に使ってしまおうとする目論見のような気がします。歴史に学んで、そんな愚行がまかり通らないようにしなければと痛感してます。

投稿: みひろ | 2014年12月 1日 (月) 午後 10時59分

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