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2014年5月 3日 (土)

『滝沢歌舞伎2014』 @ 新橋演舞場

僥倖で、この注目の舞台を観ることができた。

一幕は、いわゆる「レビュー」で沸かせて、
引き続いて滝沢くんが舞台の上で歌舞伎の化粧を披露しての「狂言」。
とくに『紅葉狩り』の更科姫は、中性的な顔立ちもあって美麗で、
更科姫の正体がわかるクライマックスでは、
山のすべてが動き出したような狂気が展開されて、
なかなかに素晴らしい演出だ。

二幕は、2005年の大河ドラマ『義経』での主演経験を生かして、
悲劇の英雄・源義経の物語を、
五条大橋での弁慶との出会いから、鎌倉幕府による排斥、
そして平泉へ逃亡し、果てるまでの物語。

大河ドラマでのテーマ「新しい国」が、この舞台でも据えられていて、
90分という時間の中で、とても見応えのあるものになっていた。

その「見応え」の大きな部分は、
弁慶として二幕を支えていた京本政樹さんの活躍にも要因があって、
その薙刀の持ち方、構え方、回しぶり、どれをとってもサマになり、美しい。

もちろん、台詞だって際立っていたし、情がこもっていて心地よい。

ほかの登場人物が「だめ」という事ではなくて、
京さまが傑出していたという事だと思うのだけど、
「舞台の上」では、しかも長長期の舞台では、その差は日に日に歴然で、
ほとんど東京公演千穐楽のこの日において、
京さまの弁慶は全くもって完成していたと感じた。

それにしても、
資金を投入して、先端技術を投入して、役者もそろえたたこの舞台が、
チケットの入手に関しても、内輪ウケな場面に関しても、
もう少し「舞台好きな一般観客」にとって敷居が低ければいいのだけど・・・

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