ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』 @ 日生劇場
『オペラ座の怪人』の続編として、鳴り物入りで登場したものの、
紆余曲折あって、、、日本においてでも、
なんと「ホリプロ」さんが興行することになったロイドウエバー卿の作品、
を、ありがたいことに、初日に観に行ってきた。
それもこれも、
かねてより応援している上野聖太くんが、アンサンブルの一人として、
この栄えある(べき)作品の日本初演メンバーを構成しているからだ。
・・・ほんとに、立派になってくださったものです・・・
初日のカーテンコールに現れたロイドウエバーおじ様と、
同じステージに立っていてくれるのですから、、、言葉もありません。
さて、、、まずは、諸元から。
詳しい事は、上に張ったリンク先の公式にて。
特に、キャストのローテーションに関しては、公式で迷ってみよう。
劇場は、
『オペラ座の怪人』もこの劇場で1988年4月29日に開幕した、
由緒正しい「日生劇場」ですので、お間違えなく(笑)
写真のように、一幕は1時間10分で、
20分の休憩を挟んで、二幕は55分の計2時間25分。
初日は5分遅れで始まり、9時に終わったので、
カーテンコールに少年が出てこられるギリギリだった(笑)
もちろん、オーケストラがいて、生演奏。。。実に艶やかなオケ。
なにしろ初日だったので、
いろんなところが「もうちょっと」なんだろうと思ったんだけど、
その最たるものが、音のバランス・・・・
艶やかなオーケストラに、ほとんどの歌が敗北していた(笑)
G列というかなり素晴らしい席で、
すぐ後ろの一列はクリエイティブ・スタッフが座っていたんだけど、
ところどころで、その後ろの列に緊張が走るのを感じたし、
なにしろ、どうにも、台詞すら聴こえてこない場面が数か所あった。
ま、この辺りは、すぐに直るのだろう。
ちょっと、間隔をあけて、少し舞台の雰囲気を書いてみましょう。
『オペラ座の怪人』が上流貴族の上品な物語だった事を、
『ラブ・ネバー・ダイ』は、いきなり教えてくれる。
映画版の『オペラ座の怪人』にも描写があったけれど、
この、アメリカの東海岸を舞台にした物語は、
「見世物小屋」文化の中で展開される。
『サイド・ショウ』的な際物の「見世物」も出てくるけれど、
舞台に登場する人物もまた「見世物」として登場して、
そこには、守ってくれる「貴族」なんて存在がいない、そんな世界。
そんな世界では、だから「お金」が総てで、
故にフランスの子爵様はお金に困って、依存症にまでなっている。
この物語、そもそもはロイドウエバーおじさまが、
アメリカの人気作家・フォーサイスに依頼して書かれている。
が、、、このミュージカル舞台は、
その、原作と言われる『マンハッタンの怪人』とはかなり違う。
私は、原作の物語よりも、
舞台の上で展開される物語の方が断然いいと思うけれど、
それは、いずれ、また。。。
さて、上野くん!
実は、誰(どれ)が上野くんだか、最初は分からなかった(笑)
顔を出してくれたり、歌ってくれると分かるのだけど・・・・
ただ、上野くん!と認識できている場面での彼は、好い。
ちゃんと目立つ台詞もあるし、肉体の綺麗さも巧く使われていた。
初日の怪人は、
いちど彼のコンサートでファントムは聴いたことがあるんだけど、
26年ぶりにマスクをかぶった市村正親さん。
いやもう、まさに「芝居がかったファントム」で、
その情動の現れ方は尋常では無く、、、面白い(笑)
で、注目のクリスティーヌは、濱田めぐみさん。
まあ、初日だから、いろいろあるとは思いますが、
たとえ声が聴こえなかったとしても、あの美しさだけで充分に満足です。
濱田さんを「強い」とか「凛々しい」と思った事は何度もあったけど、
たぶん初めて「なんて美しい人なんだろう」と見惚れていた。
たぶんもちろん、違う配役だったり、バランス好い音で観られれば、
もっといろいろと楽しめる作品なのだろうとは思う。
けどね、、、
ああ、なるほど、劇団四季が上演しない理由は、良く解る!
という3時間である事は、変わりないんだろうなあ(笑)
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