『ヒトミ』 by 演劇集団キャラメルボックス
「年に4回のお楽しみ」
以前、「演劇集団キャラメルボックス」の舞台は、そうだった。
ところが、いまでは本公演だけで5回ある。
多い分には好いんだけど、
サテライトというか、劇団員が個別に活動していたり、
若手が集まって公演したりと、
ともかく「どれ観ていいのか分からない」(笑)状態が続いている。
(「人は選択肢が多いと選べなくなる」セイラー&サンスティーン)
おかげで、去年の暮れには、とうとう、
「ファンクラブ会員なのに、もう随分と観に来てくれないんですね」
と言われて、クリスマス公演に招待されてしまった(笑)
閑話休題
今回は、
「2014年アコースティックシアター」公演の、
『ヒトミ』バレンタイン・スペシャル公演に「ブログ・ライター」として招かれた。
ブログライターとして招待されたので、観劇後に、
代表の成井豊さん、制作の加藤昌史さんとの質疑応答があった。
ので、この記事は、それを交えつつ、、、書きます。
あまり内容そのものには踏み込みませんが、
そもそも3度目の公演で、テレビでも放送されていますし、
予習・復習みたいな感じで読んで頂戴ませ。
キャラメルボックスの舞台は、
基本的に「ストレート・プレイ」なのだけれど、
ミュージカル大好きな私が観ても楽しめる程に、音楽が豊富。
むしろ、後から思い返すと、
「あれは、でも、ミュージカルじゃないんだよなあ」
という不思議な印象が残るほどだ。
そういう印象が残る第一の要因は、
毎公演の冒頭に用意されているダンスだろう。
この『ヒトミ』の過去の公演でも、
強烈な印象を残す音楽とともに、とても象徴的なダンスがあった。
今公演では、音楽は同じだけど、ダンスの振付が、違う。
成井さんへの質問の中で、
「今公演の見どころは?」というのがあったんだけど、
その答えが「冒頭の、新しいダンス!」との事で、
詳しくは書けないけど、実に『ヒトミ』らしいダンスになっていて驚いた。
主人公の「ヒトミ」は、実川貴美子さんが演じる。
初演に「ヒトミ」だった坂口理恵さんは、ヒトミのお母さん役なんだけど、
こういう変化が、劇団の「重み」というか「質感」を生み出すのだろう。
「見守る母親」というポジションが、実に美しい。
あ、実川さんの事ね。。。これも終演後に成井さんが言っていたのだけど、
「『ヒトミ』は、劇団の中に『ヒトミ』が現れたらやります」という事らしい。
他にも「『カレッジ・オブ・ザ・ウインド』の『ホシミ』」もそうだとの事。
で、そうそう実川さんの事だけど、、、なんというか、
すごく細いし、健気だし、、、
初演の坂口さんほどの生命力や、
前回の小川江利子さんのような強かさみたいなのも薄くて(笑)
なんだかもう、ほんとうに「懸命のリハビリ」というのが痛々しい。
だから、後半数か所の自暴自棄で折れてしまいそうに見えるのだけど・・・・
そこで現れるのが、彼氏「小沢」を演じる年下の多田直人くん、
というのが、今回の『ヒトミ』で最も煌めく部分だろう。
今までの上川くんや大内くんが示す「男の愛情」ではなくて、
多田くんが感じさせてくれるのは「人としての可能性」なのだと思う。
2014年に登場した『ヒトミ』は、だから、
とても健気で、こわい程に純粋な命が、
互いに頼るという関係では無く、
自立することで相手を愛するという決意をみせてくれる、
そんな、今までとは違う次元の愛情物語になっていた。
2月に大阪、3月当初に名古屋、
そして3月6日から23日まで、いつものサンシャイン劇場にて上演。
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