『ゼロ・グラビティ』
「映画」という文化が初めて観客の前に登場した頃に、
こんな1本がありました。
『駅への列車の到着』と題されたこの無声の白黒映画には、
有名な「都市伝説」があります。
曰く、
《映画館の観客は、迫りくる列車におののいて逃げ惑った。》
と(笑)
映画には、この後、音がついて、色がついて、最近立体にもなりました。
スクリーンの中と分かっていても、私たち観客は、
そこに映し出される映像と、音と、心騒がす音楽と、
もちろん物語によって、さまざまな疑似体験をして、
時には、あの黎明期の観客を笑えないほどに心と体を動かされます。
その人の心を動かす映画の、ひとつの極みに立った作品が来ました。
12月13日から、ようやく日本でも公開されたSF映画、
『ゼロ・グラビティ』が、それです。
原題は『GRAVITY』「重力」の事ですね。
(このブログ的に言うと、、、
『ウィキッド』の一幕クライマックスの『自由を求めて』は、
原題が『Defying Gravity』で、つまり「重力に逆らって」なんだよね)
詳しくは、公式をご覧ください。
予告編は重いですが、良くできていますし、観る覚悟ができます(笑)
で、ご覧の通りにバリバリのSF映画のようですが、
ちゃんとした物語もありますし(笑)それは予想を超えて深遠なものです。
普通の映画館でも、2Dでも、もちろん見られますし、手頃ですが、
この映画だけは、ぜひとも3Dで、
できれば日本にも数館ある『IMAXシアター』で、一日も早くご覧ください。
車に酔う人は、酔い止め飲んでからが良いかな・・・・でも、
そうするだけの価値はあります。
ネタバレしない程度に、以下、中身に入ります。
登場するのは、
シャトルにスペシャリストとして乗り込んでいたサンドラブロックと、
シャトルの操縦などをする宇宙飛行のジョージクルーニー。
生きて登場して演技をするのは、この二人だけで、
あと、地上で管制をする「声」としてエドハリスがクレジットされていました。
サンドラブロックは、ほとんど出ずっぱりで、
その息遣いからして見事な演技。
一方のクルーニーは、
『ファミリー・ツリー』のときのようなドタバタ・アタフタ感のない、
まんまクルーニーの魅力全開で、そして実にカッコいい。
映画は91分というクレジットですが、
実は映画の中で過ぎる時間も90分。
つまり『真昼の決闘』みたいなリアルタイム映画なのです。
(途中で時間に関する伏線もあります(*^^))
ずーっと感心していたのが「カメラ」の視線。
カメラの動きが実に的確で、そして不思議で、示唆に富んでいます。
また音楽が素晴らしい。
なにしろ宇宙空間ですから「音」は無いのですが、
予告編にも登場する、チベットの仏教音楽で聞けるような低音の響きが、
観ている者を、まさに宇宙へと連れて行ってくれます。
この映画を映画館で観ることは、生涯の記念になると思いますよ。
さ
ら
に
ここから先は、
絶対に、
観た人限定です。
というか、
観てない人には意味不明な短編映画です。
分かる人は、、、
大泣きしてください。。。
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