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2013年10月 2日 (水)

『そして父になる』

過日開催された今年の「カンヌ国際映画祭」で、
「審査員賞(Jury Prize)」を授賞した『そして父になる』を観てきた。

詳しくは公式ページを・・・相変わらず予告編は、野暮だ。

前年の「審査員賞」は、
「スコッチウイスキーの世界」をモチーフにした、
ケンローチ監督の可愛い作品『天使の分け前』だった。

さて、是枝監督の作品は、どういった仕上がりなのだろうか・・・・

ところで、、、英題は『Like Father,Like Sun.』なのだそうだ。
エルトンジョンのミュージカル『アイーダ』でも、
二幕に同タイトルの『この父親にしてこの息子あり』という曲がある。

この英題も、もちろん『そして父になる』というタイトルも、
そして公式ページのトップにあるポスターも、実に巧いと思った。

そんなこんなも含めて、続きは続きで。。。

そうそう、、、何も知らないままで観たい人は、
パンフレットも開いてはダメですからね・・・ほとんど書いてありますから。

公式ページのトップや、ポスターに使われている写真は、
「両親と息子ひとり」が二組の、6人写真となっている。

でも、片方の家族には、もう二人の子、妹と弟がいる。

つまり、それぞれの家族における「その息子」の比重が違う。

この事は、物語が動き始めると直ぐに分かるのだけれど、
「ああ、それじゃあもう、結論はそういう方向だよね・・・」と感じるし、
福山雅治くんと尾野真千子さんが演じる側の、
「失うものがとても大きな家族」が物語の中心だと解かる。

そしてタイトルに込められた意味も明確になる。
「そか、福山くんがお父さんになってゆく話なんだなあ・・・」と。

でもまあ、その事は観る前から、
設定を聞き知り、俳優を知り、タイトルを知った時から、解かる事で、
実際、映画は私が想像していた通りの筋書で、そして結論だった。

じゃあ、面白くなかったか?飽きてしまったか?と云うと、そうでもなく、
むしろ、ずーっと映画としての面白さに満ちていて、大満足だった。

この満足感の一番の要因は、画そのものにある。

121分(実質115分)のほとんどの場面で、
台詞よりも多くの「なにか」が、画を通して語られていた。
たとえば後半で、
福山くんが妻から叩きつけられる思いの、その起因になる瞬間も、
ちゃんとその場面で「あー、これは、後々」と分かるようになっている。

この映画は、画に、その場面の心情が伝わってくる工夫があるので、
台詞が無くても、たとえ異国の言葉であったとしても、伝わるだろう。
なるほど「カンヌ」で評判が良かったわけだ。

 

もちろん、物語も良くできている。
特に、先に書いた英題『Like Father,Like Sun.』という側面が面白い。

私も、しばしば「父の子だなあ」と思う事があるのだが、
それは、往々にして「止めたい、直したい、見たくない自分」においてだ。
切れ方や、怒り方、そして落ち込む様子が父と似ていて、
情けなくなるほどに「この親にしての自分なんだ」と思わされる。

映画の後半をドライブするのは、
こうした「血の繋がりから逃れられない」という感覚だ。
しかも、そのちょっとヒリヒリするような感じを、
あまり台詞に頼らずに描いてあるところも巧い。

 

構図も美しく、人物のアップに頼らない事も楽しく、
「映画らしい映画」を観たという満足を得られる作品だ。

 

【追記】 娘バージョンも観たいなあ・・・と思ったり。

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