『しあわせの詩』 @ 赤坂RED/THEATER
ちょうど一年前に上演されていた、
『One on One』の舞台『しあわせの詩』が再演された。
昨年はダブルキャストでの上演だったけれど、
今年はそのうちの「#」版だけでの公演。
しかも、たった十公演しかないというとても貴重な上演となった。
去年の記事の中で、
「今年のベスト」
と書いているのだけれど、
今回の公演を観て、改めて「どうしようもなく素晴らしい」と再確認した。
あまりにも自然で、けれど最高に美しいメロディーで綴られる、
温かみと、緊張感と、切迫感と喪失感に溢れた音楽は、
俳優一人一人の的確な演技と歌唱で構築されて、
まるで、現実に存在している時間を眺めているような思いにとらわれる。
この作品が描き出す「その時間」は、ほんの数日の事。
登場する命たちは、それぞれの長い生涯のほんの数日を、
運命に導かれて、たった一点の場所で交差させる。
交差するその一瞬の時間の中で、
その命の「なぜ」が問われ、突き合わされ、輝く時を迎える。
輝くその瞬間を眺める側の私たち観客たちは、
その「光」が自分の中にもある事を改めて意識し、
今その時に我が身に備わるその神々しい光を感じることに共鳴し、
舞台の上で命が交差し、また過ぎ去ってしまうその一瞬一瞬に、
これまで感じた事の無いような充足感と温かさに包まれ、満たされる。
なにもかもが美しい、奇跡のような作品だ。
また来年も再演してくれますように。。。。
そして、せめて一月ぐらいは公演がありますよう(笑)
今年登場した「小野田龍之介」くんは、期待の星だぞ!
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