《協奏》 メンデルスゾーン『ピアノ三重奏曲第一番』第一楽章
まずは、いま売りの『BEST STAGE 2013年 10月号』を入手しましょう。
それと、先日【e+】にインタビューが載っていました。
これらを読むと、
公式に書かれている「東邦音楽大学管弦楽団」は、40人ほどの編成で、
その大編成がこの舞台で「ぶんぶん」鳴り響くことになるようです。
それだけでも、今から興奮しますね。
ま、あまり興奮していると、キャンセル喰らうと辛いですが。。。
ところで、、、
舞台を観る前に原作を読んだ方が良い?
という事に関して、少しだけ。
既に原作を読まれた方は、
この物語の展開に「!」と思っておられるでしょう。
私も、正直言うと、こんなにも・・・・な物語だとは思っていませんでした。
ので、まだ読んでなくて、舞台を複数回観るつもりの人は、
原作を読まずに舞台に臨んだ方が良いのかもしれません。
このブログでは、極力、物語の内容には踏み込みませんのでご安心を。
で、それでも、
「登場人物とか知っておきたい」
と思われたら、文庫3冊のうちの1冊目だけを読むことをお薦めします。
で、今回は、その三部作となっている原作の一冊目、
「船に乗れ! 《Ⅰ》 」のクライマックスで、
サトル達が演奏するメンデルスゾーンの「ピアノ・トリオ」についてです。
これは、中国の名ピアニスト「Lang Lang」氏のトリオの演奏。
Lang Lang氏は、北京オリンピックの開会式で演奏していたりと、
世界でも屈指のピアニストですね。
映画の『のだめカンタービレ』での、のだめちゃんの演奏も、全て彼です。
まあ、そんな事は置いといて、、、
この、チェロとヴァイオリンの激しいせめぎ合いと、
そして、時には互いを鼓舞しあうような共鳴と、それを支えるピアノが、
自由であり、混乱し、求めあいながら突き放してしまったりする、
甘酸っぱい思いや、押し留めようのない激情に彩られた「青春」そのもの。
原作に登場する演奏は、
チェリストとして屈指の名演奏家であった「パブロ カザルス」氏の演奏。
アメリカを嫌っていたカザルス氏でしたが、
1961年の11月に、とある願いを抱いて、
アメリカ大統領・ジョンFケネディー達の前で演奏したのを収録した名盤です。
それは、こういうジャケットで、原作ではLPとして登場します。
(原作の時代背景は、CDが登場する前の、たぶん1979年頃だと思う)
ジャケットに関する描写もありますので、予習しておきましょう。
このアルバムに収録された『ホワイトハウスでのコンサート』で、
カザルス氏が願っていたのは、世界の平和、でした。
演奏の2年前、1959年にカリブ海の・国キューバで「キューバ革命」が起き、
アメリカとキューバは次第に対立してゆきます。
やがてキューバの背後にソビエトがついて東西冷戦戦場の1つとなります。
1961年の1月に就任したケネディー大統領は、
このキューバ、そしてキューバのカストロ首相との対立を明確にしていて、
事態は一触即発の状態になっていました。
(翌1962年にはソビエトの核ミサイルがキューバに配備され、
いわゆる『キューバ危機』が起きて、世界は核戦争直前になる)
そんな時に、ケネディー大統領の前で演奏されたのが、この曲です。
チェロとヴァイオリンが、まるで喧嘩のようにひとつのメロディーを奪い合い、
磨き上げては投げ返し、叩きつけ合うようにして駆け上る。
それをピアノが冷静に、けれど、時に挑発するように支えていて、
やがて3つの音は感極まるように抱き合って昇華してしまう。
この後に続く第二楽章で、この3つの音はまた違う側面を見せますが、
それは「次回」に書きます。
ともかく、『船に乗れ!』全編を通じて、最も重要なのがこの曲です。
ぜひ、耳に馴染ませておいてください。
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