『レ・ミゼラブル』雑感
いま売りの『ミュージカル 2013年5月・6月号』は、
新演出となった『レ・ミゼラブル』を特集しています。
当たり障りのない内容で、、、
まぁ、皇子は猫、ケガはカゼ、となってしまうような、
虚構の世界ですから、
真実は求めませんので。。。
だからか、、、
山手線の方向感覚がわからなくなり、
尋ねてきた人に、
反対方向の電車を教えてしまったワラワでした、、、とさ。
ゴメンナサイ。
さて、、、この後は、
みかん星人が「新演出」にぐたぐた書いてます。
まだ観てない人や、興味のない人は、スルーしてください(笑)
鳴り物入りだった「新演出」は、
福井くんが負傷したり、金田くんが居なくなったり、
他にもゴニョゴニョと、なんとなくご難続きの感じがある。
けれど、盆を廃して、映像を多用して、
もしかしたら地方巡業も可能な感じになった(笑)「新演出版」は、
じつのところ、冒頭の波飛沫を除いて
なかなか良いのではないか?と思っている。
特に、背景に映像を使っている事に関しては、
最も顕著な「下水道」を筆頭に、
一幕最後の『One day more』での行進場面など、
「盆」を使っての演出よりは臨場感が圧倒的だ。
2,000円で絶賛販売のプログラムに、
「装置・映像デザイナー」マットキンリー氏のインタビューがあって、
これがなかなか面白いんだけど、
私も、そこに書かれているプロローグの背景が好きだ。
特に、『独白』が始まると背景が流れ出して渦巻く辺りがダイナミックだ。
ただし、この映像がインパクトを与える客席のサービス・エリアは、
もしかしたら意外と狭いのではないだろうか?
下水道はともかくも、行進の場面は2階席からはどう見えるのだろう?
映像を使い、「盆」が無くなったことで、大きく変化したのは、
【バリケード】と、【プリュメ街55番地】だろう。
(フォーシルヴァンさんが荷馬車の下敷きになる場面は、
「盆」バージョンの方が迫力があったなあ・・・)
【プリュメ街55番地】にあるバルジャン邸の門は、
「盆」の時にはその内と外が分かり易かったけれど、
「新演出版」では屋敷の中から眺める構図に固定されている。
なので、テナルディエ率いる「パトロン・ミネット」の皆さんは、
いきなり屋敷の中に入っちゃうし、エボニーヌの悲鳴も屋敷内(笑)
【バリケード】が回らないのは、もっと大きな違いだ。
まあ、よく考えてみれば、
「砦の向こう:Beyond the barricade」は見えない方が良いのか(笑)
ともかく、見えない向こう側でガブローシュは弾を拾うし、
アンジョルラスは旗とともに乗り越えてゆく。
(余談だけど、いぢめられるグランテールに関する演出も良い)
で、そのバリケードのデザインがV字になっているので、
視線が中心に集まるようになっていて、
そこで起きるエボニーヌの最期が「新演出」の大きな目玉だと思う。
つまり「新演出」でようやく、
エボニーヌが白い光を浴びて召される理由が描かれるわけ。
「映画版」では、よりはっきりと描かれていたので、
「新演出版」でどうするのかと思っていたが、ここはとても上手い演出だ。
この、バリケードのV字になった中心点では、
バルジャンの『Bring him home』の歌唱もあって、
その上手下で休むマリウスとの関係がとても宗教的な感じにもなる。
さて、その最期に白い光で召される理由が分かったエボニーヌの、
(故にエンディングでファンテーヌと出てくる理由も解かった)
いちばんの見せ場は、やはり『On my own』たど思うが、
舞台の端から端までが鎧戸から洩れる透過光で演出されて、
エボニーヌの孤立を際立たせている。
この『On my own』で驚いたのだけど、
笹本エボニーヌは、歌唱の間、一度も瞬きをしなかった。。。。
それは、意図された演出とは思えないけれど、
その後のエボニーヌを知っている側からすると、
「まばたきするのを惜しむ」ように思えて、感動的だった。
ところで。。。。
前記事にキャストボードの写真を掲出したけれど、
なんとなく違和感があったので、この公演と比べてみた、ら。。。
なんと、並び方が変わっている。
エボニーヌの順位が、3枚目から7枚目へと下がっている!
代わりに、コゼットとマリウスが上がっている。
ファンテーヌも下がっているので、「映画版」の影響でもなさそうだ。不思議。
不思議と言えば、
今まで登場してなかった「プティ ジェルヴェ」が出てくるのが面白い。
しかも、
バルジャンったら、司教様に出会う前に、「40スー銀貨」を自ら奪っちゃう!
(原作では、司教様に魂を買われた後に、無意識に40スーを奪う)
で、その奪い方が、福井ジャベールはすっごく上手いんだよね(笑)
(錦織くんのエアーKばりのライジングショットですよ!)
とまあ、最後に福井くん話題でひとまず締めますが。。。。
一回観たぐらいではほとんど理解できないこの舞台、
映画を何度も観たところで、かなりの難物です。
福井くんが、より一層の魅力を発揮してくれることと、
チケット代金が安くなってくれることを願っておきましょう(笑)
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