『Caloring』 by 演劇集団キャラメルボックス
タイトル『キャロリング』というのは、
「(クリスマスに)喜びの宗教歌を歌い上げること」だそうで。。。
タイトルの意味が、分かったようで、分からない、、、
その点だけ、ちょっと「?」な舞台だった。
今回の作品には、14名の俳優が登場。
大森さんをはじめ、大内くんや、岡内さんに岡田さん、綾ちゃん、
そして久しぶりの菅野くんなど、ベテランが揃っては居るものの、
主役は、安部くんだし、
圧倒的な「キャラメル・テイスト」とは違う面子だ。
けど、出来上がった作品は、とてもとても「キャラメル」味だった。
しかも、みかん星人が苦手だった「こども」が騒乱の中心で、
「またしても、取り戻せない過去物語か・・・」と危惧したのだが。。。
今回の物語が斬新なのは、
過去にとらわれている人物が、
いまこの時に「同じ境遇」にいる子どもと関わることで、
自分自身を癒してゆく、という部分が斬新。
それがまた、「同じ境遇」から救い出したいという方向では無く、
「自分がやれる事を積極的に行う」
という方向で進んでいくことが心地いい。
この作品に近い雰囲気を持っているのは、
ディズニー・アニメの『塔の上のラプンツェル』かもしれない。
それにしても、相変わらず「根っからの悪人」が登場しない(笑)
舞台には、ちょっとスリリングでおっかない「悪い奴ら」は出てくる。
そう、こんな感じで、だ。。。
だけど、このチンピラたちにも、チャンス、がやってくる。
ほろ苦くて、苦役が待っているけれど、いちばん相応しい機会だし、
そういった部分が、とても「キャラメル・テイスト」なのだろうと思う。
最後に、、、キャラメルボックスを観始めて12年になにるけれど、
今回は、他の劇団では普通にある場面なのに、
キャラメルの舞台では、たぶん、初めての場面が用意されていて、驚いた。
それは、きっと、原作を書いた有川浩さんのテイストなんだろうな。
もうあまり公演は残っていないけど、
「自分を信じる力」が欲しい人には、良い作品だと思う。
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