『しあわせの詩』 もいちど「#」さん。
いちお、観たという事を書き残しておきます(笑)
一週間に4公演の鑑賞、、、
まあ、みかん星人としては、目立って多くはない気もしますが、
ただひたすら「大好きな舞台だから」という、ただそれだけで、
(つまり、俳優に左右されない、とても正しい鑑賞スタイル(爆))
こんなにも通ったことは無かった気がします。
もう公演が終了したので、ちょっと踏み込んで書いてみようかな。。。
私が観るところところでは、
この『しあわせの詩』のテーマは、命の意味、みたいなものだろうと思う。
「満ち足りた生涯」とは、どんな生涯なのだろう?
永遠の命をもった狐は、
終わらない命の中で【本当の願い】をみつけたその時に、
ようやく昇天できる、、、という、実に巧妙な仕組みを用意して、
それは、
(とても短い生涯の)人と狐でも、違いが無いのではないか?と展開する。
冒頭、まだ客電が灯る中、舞台には3匹の狐が登場して、
それは、そう、知っている者には、
この舞台が『キャッツ』的メッセージを持っているのでは?と予感させる。
で、その予感は、紆余曲折を経るものの、「予感的中」という事になる。
なるのだけれど、、、、
『キャッツ』の、明確な物語を持たず、また娼婦と云う役を設定する手軽さと、
この『しあわせの詩』がみせてくれるしっとりとした質感は、かなり違う。
この、とても心地よい手触りの印象がある質感は、
物語に、私たちがよく知っている、普遍的な「祈り」があるからだろう。
【大切な人が健やかでありますよう】
『しあわせの詩』は、また、実に見事な「ミュージカル・プレイ」でもあった。
こんなにも耳馴染みの良い曲ばかりでできた舞台というのも、凄いなあ。
メロディー自体も、初めて聞くのに、普遍性を感じる。
しかも、同じメロディーを何度も登場させるALW方式で、
クライマックスでは、音楽の昂揚感で自分の肉体を忘れる程。。。。
贅沢言えば、もう少し俳優の音程が好いと良いんだけどね(笑)
もう一つ。。。『しあわせの詩』の見どころは、ダンスにもある。
ひとつ前にも書いたけれど、台詞の無い狐が4匹いて、
それが、台詞や歌の心情や深層をダンスで伝えてくれる。
これが実に饒舌で、スリリングで、的確。
ずーっと以前に観て大興奮した『ブレイ・ウイズアウト・ワーズ』を連想させる。
劇場は120席程度の小さいものなのだけれど、
せいぜい200席程度までが好適なサイズなのだろう。
舞台の上に「無駄」がなく、いつも全体を見ていたい作品なので、
大きな劇場だと不満が残るかもしれない。
あ、最後に大切な事。
これ、生演奏なのです、、、、たぶん、キーボード1本。
(もしかしたら、パーカッションもしていたのかな・・・)
この生演奏が、実に微妙なタイミングで響いて、美しい。
いまのところ、間違いなく、今年のマイ・ベスト・プレイだと思う。
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