『ロミオとジュリエット』 by ジョイ・バレエストゥーディオ @ 練馬文化センター
その、冒頭の場面とは。。。
紗幕の向こう側、薄暗い中に主要5人が横並びで登場。
中央に立つジュリエットの苦悩が、
波紋のように、輪唱のように、4人の男たちに伝播してゆく。
この5人は、物語を知っている者からみれば「死にゆく者達」なので、
その予告がこうして描かれる事が、とても斬新。
しかも、その暗い場面が開けると、舞台は一気に華やかになる。
まるで『美女と野獣』の冒頭シーンの様な明るさと華やかさだ。
そこに、我らが瀧澤くんも、キャピュレット伯爵として登場。
実に堂々たる雰囲気があって、カッコいい。
ジュリエットの従兄・ティボルトに扮した澤井くんも、
きびきびした動きの中に若さの危険が匂っていて、これまた素敵。
バレエらしい動きが無いと、まるで普通の演劇を見ているようなんだけど、
それでも、やっぱり「バレエ」なわけで(笑)
コケティッシュなジュリエットが舞うと、まさに13歳の女の子。
物語をよく知っているからもあるだろうが、
その13歳の女の子の、ちょっとした仕草がどういう意味なのか、
それがとてもわかり易く、伝わる。
もちろん17歳のロミオも、こちらも若さと云うか、無邪気さすらあって、
2人が出会った後の、特にバルコニーの場での動きは、
体重が無いんじゃないか?と思われるほど、昂揚感に溢れていた。
そして、だからこそ、
エピローグの墓地の場面での二人は、実に痛々しい。
バレエの動きを観ながら、その動きそのものが表現する感情に、
はじめて、心を揺さぶられた。
(動きが凄いなあ。。。という感嘆や感動は何度も経験しているんだけどね)
さて、また瀧澤くんに話を戻すと。。。
彼は、キャピュレット伯爵として堂々とし、時に娘に手を挙げたりして、
バレエというよりも、無言劇の様な雰囲気があり、それも好かった。
が、途中のカーニバルにも、ダンサーとして登場していて。
これがまた、実に美しく、魅力あるものだった。
彼の身長の高さ、手足の長さ、そして跳躍の高さや長さ、どれも目を惹く。
こういう姿をみると、彼がどれほど真面目に研鑽しているかを感じるし、
それが観ている者に感動と勇気を与える。
ともかく、瀧澤くんのおかげで、また一つ、楽しい経験をさせてもらった。
次も、楽しみにしてるよ!
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