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2012年8月17日 (金)

『スケッチトラベル』

先ずは、このビデオを観ていただきたい。

「ジェラルド ゲルレ(Gerald Guerlais)」氏と、
堤 大介(Daisuke"Dice"Tsutsumi)」氏が発起した、
「スケッチブック・ブロジェクト」の、そのプロモーション・ビデオだ。

監督したのは、これが初監督となる堤氏本人。

彼は『トイ・ストーリー3』の美術監督をした人。
高校卒業まで野球に没頭して、受験戦線から離脱した彼は、
アメリカに留学し、コミュニティーカレッジに入って、
そこで初めて絵を描き始めたとの事。
その面白さに魅了されて、やがて美術大学に入り、
「好きだから一生懸命やる」という姿勢で、
入学時は「一番下手」と自覚していたのに、首席で卒業したそうだ。

で、堤氏とゲルレ氏が2006年から始めたのが「スケッチトラベル」。

一冊のスケッチブックを、
アーティスト達が手渡しして、世界を旅させるというこのプロジェクトは、
ついには総額で800万円を超える価格で落札され、
ルーム・トゥ・リード』へと寄贈され、図書館が建造されることとなった。

本についての事は、とりあえず下のリンクで読んで頂きたい。


スケッチトラベル

  • 堤大介
  • 指定なし
  • 3150円

Amazonで購入
書評

 

そして、ここから先は、この本を読んでから、入って頂きたい。

と言うのも、この本、というか絵本は、
ぜひとも時間を掛けて、最初のページからゆっくりと楽しんでほしいからだ。

時間を掛けて読み進めば、
きっと、清々しい風が、心の中を吹き渡る事だろう。

現在、この『スケッチトラベル』には4つの版があるハズだ。

みかん星人が手にしたのは、そのうち3つの版。
最初にフランス語で出版されたもの。
フランスで、2000部だけ、箱入りで出版されたもの
そして、今回、日本で出版された日本語版だ。
 (あと、英語版も出版されたが、手にして無い)

実は、それぞれの版は微妙に内容が違うのだけど、
本として読み応えがあるのは、もちろん日本語だからだけど、日本版だ。
というのも、この版には、作品の隣に、
それを描いたアーティストの情報が載っているのだ。

それを読むと、この本が持っている価値が二つの意味でよく解る。

一つは、アーティスト同士の関係によって構築されているという事。
例えば、P.104に登場しているヴィレルモー氏は、次のアーティストとして、
「この仕事に就きたいと思う動機になった人」
を挙げていて、そして直接逢い、スケッチブックを手渡している。
面白い事に、この二人の絵には、どことなく通じるものが有って、
「あー、なるほど、憧れとはこういう事か・・・」という事も感じたりする。

もう一つは、そうして憧れや友愛でつながった中に、
とても強いライバル心と、自己顕示欲を見て取れる事だろう。
多くのアーティストが「プレッシャーだった」と語っているし、
また、ほかの作品を観る事で、
「これこそが私らしい作品」へと到達したアーティストも多い。

そういう意味で、この本は、
「21世紀初頭イラストレーションの集大成」
として永遠に保存されることになったと思うし、これを手にすることは、
21世紀を展望できる基準を手にしたという事でもあるだろう。

また、20世紀の巨匠が巻末を飾っている事も嬉しい。
WOWOWの番組で堤氏は、
「宮崎さんに怒られてしまった」と笑いながら語っていたが、
まさに、さもありなん、という感じの渾身の一枚だ。
このページを開くたびに、私は、
「とても素晴らしい時代に育ったんだなあ」
と、えもいわれぬ満足感に包まれる。

 

ここまで読んで下さった方に、改めてお願いしたい。

ぜひ、この本を、未来ある人達にプレゼントしてほしい。
そしてまた、可能なら、
自ら「新しいスケッチトラベル」の発起人になってみてほしい。

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