ミュージカル『Bitter days,Sweet nights』 @ CBGKシブゲキ!!
まず、劇場について・・・
渋谷の「道玄坂」登り口、「109」の右奥側にある『CBGKシブゲキ!!』は、
もともとは映画館だったフロアーを改装して昨年杮落しをした劇場。
ロビーはちょっと狭いけれど、
その手前のホワイエ相当には「Mt.RAINIER HALL」というカフェがあって、
待ち合わせとかにも良いかもしれない。
劇場内部への入り口の壁に【座席表】が大きく描かれているのが、
画期的で、便利で、綺麗。
天井が、まるで「ハンガー(航空機格納庫)」みたいで、
たぶん全く意図してないだろうけど、TDSの「ハンガーステージ」みたいだ。
客席が約250席で、座って、なんか変だなと思ったら、ひじ掛けが無い。
しかも、前後の間隔も狭くて、オヤジには苦役かも。。。
(しかも演目の関係か、私の周囲は似たオヤジばかりで、そこだけ濃密)
さて、その演目は。。。『Bitter days, Sweet nights』。。。ミュージカルだ。
作と演出は、G2氏。
ミュージカルの『8人の女たち』を手かげているそうだが、
(私が観た『8人の女たち』は江守徹氏演出版だったなあ・・・)
何と言っても、『W~ダブル』(ストレート)は面白かった!
(そーいえば、その作品でも、アフタートーク・イベントに参加した・・・)
出演は、、、プログラム掲載順、、、
「妻のフユコを亡くしたショックから立ち直れないでいる、元売れっ子カメラマン」
谷川ミノル(40)、を、橋本さとしくん。
「音信不通だったが10年ぶりにアメリカから帰国した、フユコの妹」
市ノ瀬ナツコ(28)を、新妻聖子さん。
「ナツコを追っている青年」
ジュン原田(23)を、上山竜司くん。
「親友フミコ亡きあと、ミノルの面倒をみている雑誌編集者」
島田ヤヨイ(34)を、堀内敬子ちゃん。
そして、、、舞台にはアップライトが1台あって、
作曲をした荻野清子さんが演奏を担当、、、基本的にアンプラグド!
荻野さんといえば、三谷作品の音楽も書いているので、
堀内さんとの関係も長いのよね。
物語は、基本的には「ミノル」と「ナツコ」と「ヤヨイ」で進む。
(「ジュン」は、とある状況説明のために存在している。)
画家や作曲家、脚本家が主人公の舞台は観たことがあるけど、
カメラマンを主人公にしたものは、映画にはあるけど、舞台では。。。
で、観ていて思ったのだけど、
カメラマンが主役の舞台演劇って、面白い。
そりゃあそうだよね、、、作品を舞台の上で作れちゃったりするし、
「アルバム」という小道具には「想い出がいっぱい」だもの。
この作品では、「写真」と云う、いまや日常に普通に存在する文化が、
実は、どういった意味のある文化なのか、という事に注目してて、
その辺りは、実によく描いてあると思った。
ただし、物語そのものは、意外と簡単で、素直で、若干陳腐(爆)
しかも、みかん星人が大嫌いな要素が出てきたりして、醒めてしまう。
なにより残念、というか、不肖にして汲み切れなかったのかもしれないが、
愛しの堀内さんの役処が、どうにも曖昧。
不甲斐ない親友の「未亡夫」に対して、本当はどんな感情なのか・・・
どうにでも読み取れてしまう、のは、狙いなのか、失敗なのか、、、謎。
それでも、丁寧に、上品に、少しずつ積みあがる、可愛い作品だ。
さて、、、ミュージカルなので、当然歌があるんだけど、
他の記事に書いた点から言うと、この作品も、歌は物語を進めない。
つまりは「その時の心情」を歌い上げるのだけれど、これが、良い。
特に、先の公式ページに羅列されているYouTube動画の、
右上にある、新妻さん堀内さんのデュエット曲が、凄かった。
まるで「エポニーヌ」と「マコ」が歌っているようなイメージ(大笑)
やっぱり、素敵なので、張り付けちゃおう。。。三拍子って、可愛い。
んで、こうしたデュエット曲とかに、
上に書いた「役処の曖昧さ」の回答が潜んでいるというのが、
ミュージカル・プレイの醍醐味のハズだと思うのだが、、、
よく聞くと、歌詞は明確に何かを語ってないし、少々印象派的。
・・・それにしても、耳に残る、良いメロディーだなあ。
こういうミュージカルが日本語で作られるのは、実に嬉しい。
たった13回しか無い公演で、
俳優のファンだけでチケットはほぼ完売と云うところだけど、
コンパクトな小屋で、このメンツの歌声を生で聴けるという、
ただそれだけでも充分に価値のある、真夏の夜の夢のような舞台だ。
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