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2012年4月21日 (土)

『アーティスト』

今年のアカデミー賞で、
作品賞、監督賞、主演男優賞、衣装デザイン賞、作曲賞を獲得した、
白黒で、サイレントの、フランス映画を観てきた。

詳しいことは、例によって公式ページで。

Artist_2

なるほど、これは、とてもとても面白い。。。すばらしく楽しい。

そして、改めて実感するんだけど、
「せりふ」というのは、諸刃の剣で、
それはイメージを明確にするとともに、単純化して固定してしまうのだ、と。

みかん星人が「ミュージカル」という、
「言葉にならない思いに満ちた作品」
が好きなわけを、この作品はとてもはっきりと教えてくれた。

『アーティスト』には、
様々な名作のオマージュがある、、、ということで、
実際そう思う場面も多いんだけど。。。。けれど、
それは多分「名作の引用」というよりも、
「その場面を最も印象深く描く構図、光、動き、音楽」
を突き詰めてゆくと、過去のそれらと同じような様子になる、
という事のなのだろうと感じる。

それをとても強く感じるのが、音楽だ。
さすがにオスカーを取っただけのことはあるこの音楽は、
2つの意味で、とても胸に染みてくる。

一つは、音楽というものがどれほど饒舌なのか、という事。
画面に寄り添い、時にリードし、時に余韻をのこし、
ある時にはまったく背を向けたようでありながら、予感を提供する。
こうした音楽と、俳優の微妙な(時に誇張された(笑))表情だけで、
観客は、少なくとも私は、映画の中でイメージを自由に広げられた。

もう一点は、こうして奏でられた美しい音楽は、
ただひたすら「娯楽」であった時代の映画においても画に寄り添っていた事。
そのことに思いが及ぶと、既に失われた多くの白黒フィルムとともに、
いまではもう人々の心のなかにだけ残る音楽のこと、
そして、そうした音楽たちが積み上げた歴史をも感じ取れる。

美しい歴史の果てに、いま、居るのだ、、、と。

この映画のパンフレット、いやもう「プログラム」と呼びたいほどだけど、は、
定価700円なれど、必ず買ってほしい。
そして、映画を見終わった後、おもむろに最後のページを開いてほしい。

そこには、この映画の、いや映画の歴史のすべてがある!

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