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2012年2月15日 (水)

『エビータ』 @ 自由劇場

と、言うわけで、福井くんが大統領として登場した『エビータ』を観てきた。

ひとことで言うなら、「いいものを見せてもらった」という気分だし、
出来る事なら、残りの全ての舞台を観ておきたいと思わせてくれる。

福井くんのペロン大統領は、
昨年開場した「北海道四季劇場」の杮落し公演で登場したものの、
それは基本的に道外の人には非公開で、ちょっと残念な思いをした。

そも、福井晶一くんは、この作品でプリンシパルへの道が開いたと聞いているし、
『55ステップス』でも、この中からの『飛躍に向かって』の歌唱は見事で、
『エビータ』という作品に対する意気込みは強いのだろうと感じさせてくれていた。
だから、今回の自由劇場での公演には、きっと登場してくれると期待していた

でまあ、いろいろあって・・・オペラの都合からか?(笑)
唐突だけれど、その姿をようやく見届けることができた。。。

うん、ほんとに、観られてよかった。。。

そもそも、初日に駆けつけるぐらいには好きな作品で、
エビータの伝記を読む程には興味もあって、
それなりに、この作品の魅力は読みこなしているつもりだったのだけれど、
福井くんがペロン大統領を演じてくれたおかげで、
それまでは見逃していた点を発見もできた。

ペロン大統領というのは、劇中でも描かれているが、
後に戦争をしたりもするイギリスとはあまり仲が良くないのだけれど、
実は、むしろアメリカに対して強く抵抗した政治家なのだそうだ。
そういう意味では、狂言回しにして革命家の「チェ」と似ているが、
ペロン大統領は、権力の選択肢としての「反米」らしいので、
「反権力」のチェからすれば、やはり、からかいの対象に見えるのだろう。

ともかく、そうした自らの覚悟で自立していない、揺らぎの大きい大統領を、
福井くんは、実に巧みに演じていると思う。
また、(初日から相変わらず絶好調とは言い難い)野村エビータを、
野太い低音で見事に支え、引き立てているようにも感じられる。

その、時折ちょっと不安定になるエビータが、
しかしクライマックスでは野村さんの鬼気迫る演技で、
これまで観たことの無いほどに強烈なエンディングを見せてくれるのだけれど、
そこでの、最後の福井ペロン大統領の歌声が、氷の刃のように突き刺さる。
こんなにも、人の心の複雑さを如実に表現したことがあっただろうか。。。

うーん、、、この福井くんで、やっぱり、将軍さまを観たいものだなぁ(笑)

ともあれ、自由劇場で、かつては母子だった二人が紡ぐ物語は、
この劇場でしか堪能できない、心底痺れる体験をさせてくれる。

さて、もう一人のエビータ、かつて時空を超えた恋人だった二人は、
どんな物語を見せてくれるのだろう?、、、楽しみだ。

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コメント

おとみさん、コメントありがとう。

なるほど、そういう玉突きなのですねー


福井くんが演じると、ペロン大統領ですら「いい人」に見えてくるから不思議です(大笑)

投稿: みかん星人 | 2012年2月18日 (土) 午前 02時19分

みかん星人さま
ラウルが人手不足、大統領がラウルに、ラウルはビースト、ビーストは壁抜け、看板が足りませんね。オペラ座は酸素濃度が薄くなってるかもしれません。福井さんはええ人や。

投稿: とみ(風知草) | 2012年2月17日 (金) 午後 03時23分

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