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2012年1月22日 (日)

『エビータ』 @ 自由劇場

自由劇場は、開館当初から頻繁に通い、ほとんどの上演作品を観てきた。
そもそも「四季の会」に入ったのもこの劇場ができたからだ(笑)

が、2007年の『ふたりのロッテ』を見逃して以降は、
2009年には『春のめざめ』に足しげく通ったものの、次第に遠ざかり、
ちょうど一年前の『コンタクト』からはご無沙汰していた。

その大好きな自由劇場に、これまた大好きな『エビータ』が掛かったので、
初日に駆けつけた。

自由劇場の『エビータ』は、思った以上にコンパクトで、
盆の部分で目いっぱいという感じ。
その濃密な場所で、劇団四季の宝であるアンサンブルが、
『ブェノスアイレス』に始まり、
ソング&ダンスでも魅力的だった『飛躍に向かって』、
一幕のクロージング『ニュー・アルゼンチーナ』で見事に動き回る。
二幕でも『金はでてゆく湯水のように』は、とても素晴らしい。

今回の自由劇場では、このアンサンブルを堪能することがメインだろう。

「大好き」とはいうものの、『エビータ』の後半はかなり厳しいもので、
正直なところ、二幕の後半は観たくないのだけれど(笑)
全編を通じて見事に構築されたALWの音楽を聴くことも、もちろん幸せだ。
・・・これで、生演奏だったら、もっと凄いんだろうけどね。。。

コンパクトになった『エビータ』は、しかし、
中央に湧き出てきていた「玄関」は、上手から流れてくるし、
『エビータとチェのワルツ』では、盆は回ってくれない。
バルコニーのシーンは、舞台を実際に観ていただこう。
前回の公演とは、ちょっと違って、意外とガンダムだ。

意外と言えば、プログラム。。。

今回のプログラムは、なかなか良い。

ちゃんと「プログラム」らしく、歌詞を織り込んでのあらすじ解説がある。
これって、劇団四季ではかなり珍しいのではないだろうか?
また、2011年11月に取材された、
ティムライス氏のインタビュー記事が素晴らしい。
これを読むためだけでも、1300円(会員価格)は安い。

また、最初から「二人のエビータ」という宣伝をし、
野村エビータと秋エビータの登場スケジュールを公表しているのも珍しい。
やはり自由劇場で上演された『ハムレット』が、
石丸ハムレットと下村ハムレットの登場日程を公表して以来なのでは?

ただ、いまところ、秋エビータの登場がとても少ない。
秋エビータは、そのきりっとした美貌が実にエビータ的だったし、
いま爛熟しているアンサンブルに対しても全く負けないと思うので、
出来れば後半、もっと登場してほしい、、、観に行きたい。
 (というか、初日だからなのかどうか分からないけど、
  野村エビータは、あまり魅力的に見えず、アンサンブルに負けていた)

気になるのは、もう一点。。。レインボーツアーでのエビータの衣装だ。

二幕の冒頭は、素晴らしい場面が続く・・・だから、つい観てしまうのだが(笑)
『共にいてアルゼンチーナ』に始まり、
とりわけ美しい『空を行く』(そういえば、この曲の今回の背景も?だなあ)、
そして、大すきな『虹の如くに』と『虹の歴訪』と、
この数十分間は、あまたあるミュージカルの中でも傑出した流れだろう。

が、このレインボーツアーでエビータが着る赤いワンピースが、なんか、変。
もちろん、デザインはHMなので、それ自体は優れたデザインなのだろう。
(それでも、あまり上出来とは思わないが・・・)

問題は、これが、物語にそぐわないように思える点だ。

と、言うのも、『虹の如くに』の歌詞のにある、
劇団四季版で「ファッショナブルに」と歌っている部分は、
クリスチャンディオールのように」だし、
「映画スターのように」と歌っている部分は、
ローレンバーコールのように」というのがオリジナルなのだ。

ディオールといえば、
まさに1947年の「虹の歴訪」の時代のデザイナーで、
ニュールック」と呼ばれた、ウエストを絞ったラインの美しさが特徴。
今回の舞台に出てくる、こんなゆったりしたワンピースは、ディオールではない。

また、ローレンバーコールは、実に「男前」な女優で、
1947年において『脱出』と『三つ数えろ』の2作で一躍スターになっていた。
ローレンバコールとディオールは、確かに大戦後を代表する文化だし、
雰囲気も似通っているので、少し前に、ディオールは、
ローレンバコールにインスパイアされたコレクションを発表してもいる。
 (この辺りは、さすがティムライスの感性だ。。。)

なのに、このステージの「虹の歴訪」は、あまりにも単純なデザインで、
まさに「ハナエモリ」の世界なところが、ちょっとコケてしまった(笑)

ともかく

とにもかくにも、、、だ。。。

あの濃密な空間で繰り広げられる群舞は、まさに圧巻!
特に2階席からの鑑賞を強くお薦めします。
今年、最初の、必見舞台ですぞ。

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コメント

》壁抜けのほうが集客あり?なキャストなのかしら?

有り得ません(笑)

集客力のあるキャスト、というより舞台は、いま、自由劇場の方です

投稿: みかん星人 | 2012年2月 4日 (土) 午前 02時30分

はい。逆だとおもってました
壁抜けのほうが集客あり?なキャストなのかしら?

投稿: ハイタカ | 2012年1月29日 (日) 午後 01時41分

はい、、、『エビータ』は、自由劇場。日曜初日の『壁抜け男』は、秋劇場です。。。なんとなく、逆な気がしますね。

投稿: みかん星人 | 2012年1月28日 (土) 午前 01時15分

今日の今日まで、自由だと気づいてませんでしたそっかあ。観たいなあ。けど我慢(笑)

投稿: ハイタカ | 2012年1月26日 (木) 午後 10時18分

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» エビータ初観劇 [羅針盤のない船]
2012年2月4日 エビータソワレ  自ら足が進まなかった作品のひとつ。おそらく内容が難しいだろうと見もしないで勝手に決め付けていたせいかな。何事も食べず嫌いはいけませんね。 [続きを読む]

受信: 2012年2月14日 (火) 午後 11時39分

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