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2012年1月29日 (日)

『壁抜け男』 @ 四季劇場 秋

「フレンチミュージカル」という冠があって、
「モンマルトル恋物語」という副題(みたいなもの)もある。

そう、この『壁抜け男』は、
「フランスの香りがするミュージカル・プレイ」で、
「モンマルトルでの恋物語」なのだ。

尤も、なにが「フランスの香り」なのか、「モンマルトル」なのかは解っていない。
このミュージカルを作曲した「ミシェル ルグラン」は、
シェルブールの雨傘 』でしか知らない、、、『マルグリット』も観てない。

「モンマルトル」にも、
パリの北辺を歩いて横断(北駅~サンラザール駅)したことはあるけれど、
モンマルトルの裾野を歩いた感じで、雰囲気は知らない。

ただ、この作品を観ると、とても素直に、
「ああ、これが、パリの北のメロディーで、物語で、人生なのだ」
と、妙に納得してしまう。

Kabe

そもそも「フランス演劇」に礎を持つ劇団四季なのだから、
こうした「雰囲気」を作るのは上手いはずだし、上手くあるべきで、
そういった意味では、大切にしてほしい作品だと思うし、
そうする価値のある、意義のある、楽しみのある作品だと思う。

前回は、この作品にこれ以上ないほどに相応しい自由劇場での公演だった。
しかも、音楽もまた、舞台に登場する画家と同様、重要な役どころの一つであり、
だからこそ当然の如く生演奏だった。

今回は、広い秋劇場で、残念ながら舞台にミュージシャンは登場しない。

配役としても、危ない医師をさせたら絶品の寺田さんに、
この作品で新聞配達するために俳優になったような有賀君が、
相変わらず「劇団四季らしい匂い(褒めてます)」を出していたものの、
主だった2つの役どころが、どうも作品の雰囲気と違っていた。

まるで、石丸くんのコピーかと思ってしまう、
けれど本来は最も自由と近くなければならないハズの壁抜け男。

そして、「忍従」という雰囲気とはかけ離れた経歴をまとっているイザベル。
イザベルという役は、たとえば「ピコ」とは最も遠い真逆の存在だと思うのだが。

役が、だから、俳優から、しばしば乖離して見えるし、
それが録音に合わせて動く様子を、しかも広い劇場で観ていると、
正直なところ、
時折、お金を払って観ている舞台だとは思えなくなってしまう(笑)

初日にもかかわらず当日券が出ていたし、
毎日のようにC席が当日券に登場する状況が、
この作品に対する演劇ファンの「予感」を表していると思うし、
それは、けっこう、正しい「予感」だとも思う。

こうした、「愛らしく劇団四季らしい作品」こそ、丁寧に、
またその時折の新鋭を用意して臨んでもらいたい。
余所ではめったに触れられない雰囲気の作品なだけに、残念だ。

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コメント

すっごい上から目線ですね。嫌みばかり書いて…。アンチ四季なら、見るのやめたほうがいいのでは?

福井さんの件もありますし、この機会にみかん星人さんも四季をご卒業されては?。
揚げ足とるために観劇に行ってらっしゃるのかしら(笑)

投稿: あんず | 2012年2月 4日 (土) 午前 03時24分

あんずさん、コメントありがとうございます。

ご意見も、ありがとうございます。

投稿: みかん星人 | 2012年2月 4日 (土) 午前 10時42分

こんにちは。
気づいたら始まっていたのですねー、これ。

最近の四季には「観たい」「観にいきたい」って思わせる雰囲気がないです。
狂ったように観にいっていた頃がなんだったんだろうとすら最近思ってしまいます。

みかん星人さんの感想を参考に、今年は何回かくらいは観に行きたいなぁと思っています。

投稿: 柴 | 2012年2月 4日 (土) 午後 01時01分

柴さん、コメントありがとう。

はい、、、約30公演で3月頭まで、、、やってます、これ(笑)
相変わらず「なぜ今これを」が伝わってこないラインナップですね。

惜しい事に、狂ったように観に行った事は無いんですけど(笑)観に行けば、心の中の見えない壁を壊してくれたのが、劇団四季でしたね。いまでも、たぶん、『アイーダ』であれば突き抜けてくれると思います(*^^)
あと。。。『コンタクト』のピンクのドレスとかね(爆)

今年も、劇団四季に限らず、楽しい作品に出会えるといいなあ。。。

投稿: みかん星人 | 2012年2月 4日 (土) 午後 06時38分

ああ…やっぱり
壁抜けは大好き演目なのですが心配しておりました

演目には演目の似合う箱があるよなと
エビータは空の広がりを
壁抜けはあのモンマルトルの路地裏の空気を感じたいと
どうかんがえても逆だよなあと

前回の自由劇場のあの空間を醍醐味をしっているだけに、今の四季に秋を埋めるくらいのモンマルトルの香をだせるのかとおもってました

しかも生演奏じゃないんですね。 あの感動もないのですね

投稿: ハイタカ | 2012年2月 5日 (日) 午前 12時47分

ハイタカさん、コメントありがとう。

たとえば。。。。
とある繁華街、うっすらとBGMがある中、唐突に耳慣れたメロディーを意識が捕まえる、、、と、つぎの瞬間には、それがCDなのか、街角のフィドルなのかは解ってしまうものです。
この作品がみせたい「モンマルトル」は、そういう時に「ホンモノ」が聴こえてくる場所なんでしょうね。画家と云う存在がそれを象徴していると思います。

また、4月には『アイーダ』が掛かるのですから、秋にはその日までティムライスの言葉が響いていてほしかったですね(笑)

投稿: みかん星人 | 2012年2月 5日 (日) 午前 10時17分

みかん星人さんの、言葉の意味の深さはその時点では理解できないけど、時が経ってあとで現実として目の当たりにしたときに、なるほど、そういう意味だったのかと分かることが多いです。
何気ないコメントにも意味が込められていることを何度も実感してきました。
スタンディングでキャストに拍手し続けたいと思う作品、気がつかないうちに立ち上がって拍手している舞台をここしばらく見ていないような気がします。。。。
しかしコンタクトのピンクドレスが出てきたのには驚いた。。。

投稿: coo | 2012年2月23日 (木) 午前 12時33分

cooさん、コメントありがとう。

まあ、解りにくい書き方って事なのですけど(笑)
「そのまま」書いてしまうと、観る人の自由なイメージを邪魔することもあって、そういう意味では「観ないと分からない書き方」という意図があるのは確かです(笑)
そーゆー意味では、cooさんには見抜かれてしまったというところですね(笑)

ほんと、幕が下りた瞬間に、立ち上がらずにはいられない、という舞台には、なかなか出会えませんね。
(私は、金グリザ@五反田で、思わず立ってしまったことがありますが、、、興奮したなぁ、あれは)


もっとも、この作品のように、カーテンコールで合唱大会って場合には、どんなに興奮しても、座って楽しむしかないですねsmile

投稿: みかん星人 | 2012年2月23日 (木) 午後 03時15分

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» 壁抜け男 マチネ [羅針盤のない船]
2012年2月11日 モンマルトル恋愛物語 「壁抜け男」マチネ(劇団四季秋劇場)。 [続きを読む]

受信: 2012年2月14日 (火) 午後 11時53分

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