『世界報道写真展2011』 @ 東京都写真美術館
報道写真だから、基本的に芸術性は求められていない。
だから、中にはとても正視しにくいものがあったりして、
観終わる頃には疲れてしまう。
が、2009年の時もそうだったけれど、
ここにあるのは、人類が到達した「出来事の共有機会」だ。
まさに写真こそ、
ここ100年あまりの人類の進歩の速さの象徴であり、
なにを捉えたのかを知る事が、明日を想像するもっとも有益な手段だと思う。
中に、東日本大震災の写真をスライド上映しているコーナーがあったが、
2009年の時よりもそのスペースが小さくて、これは失敗だろう。
最も感動的だったのは、たぶん小学校に入ったぐらいの少女が、
カタログを読みながら、一枚一枚の写真と真剣に向き合っていた、その様子だ。
彼女の首からは水筒が掛けられていて、
その中に入っているのだろう氷が揺れて奏でる涼しげな音が、
少し苛立つほどの熱気を帯びていた会場の中で、凛と響いていたのが印象的だった。
恵比寿では8月7日まで。
その後、大阪、京都、滋賀、大分と移動するので、ぜひとも観ていただきたい。
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