『ブラック・スワン』
今年のアカデミー賞を受賞した未見の作品の中で、
もっとも観たかったのが、この『ブラック・スワン』だ。
みかん星人は、「俳優が俳優を演じる映画・演劇」、つまり「劇中劇」が好き。
(『コーラスライン』に魅了されるのが、この部分)
それが「ミュージカル映画」だと【バックステージもの】になるのだけれど、
とりわけこのジャンルが大好きだ。
で、この『ブラック・スワン』は、まさにこうした劇中劇映画の典型で、
主演のナタリーポートマンは、
この映画で「何役」をこなしていることになるのだろう(笑)
さて、ではこの「俳優が俳優を演じる部分」がどうだったか、というと、
いままで見たこともないほどに強烈だったとともに、
ちょっと追いつけない部分があって、正直なところ、消化不良でもある。
俳優が「役」になるというのは、それが「仕事」であるとはいうものの、
やはりそう簡単なことではないと思う。
よく、俳優がインタビューに応えて、
「自分の中に全くない役だったので、苦労しました」と言ったりするが、
この『ブラック・スワン』でポートマンが挑んだのは、
その「『自分の中に無い役』に挑む俳優」という役なのだ。
「サーカスで最も難しいのはクラウンだ」と言われるように、
「出来ない」ことを表現するのは、実に難しい。
それを、脚本の巧さもあって、ポートマンは見事に演じていたと思う。
この「脚本の巧さ」というのは、母親の存在だ。
『塔の上のラプンツェル』でも同じようなテーマが描かれていたけれど、
昨年の『プレシャス』といい、
アメリカでは母娘の関係がややこしくなっているのだろうか?(笑)
ともかく、俳優が「役のプレッシャー」に押し潰されてゆく様子は、
まさにホラー映画のようでもあり、凄まじかった。
が。。。
これは、みかん星人が「バレエ」の理解と経験が足りないからなのだが、
【白鳥】と【黒鳥】が表現すべきニュアンスの違いを、
ポートマンの演舞の中で感じることができなかった。
【黒鳥】に求められる舞踏の中で「なに」が足りないのかは、
脚本ではそれなりに描かれている。
けれど、実際の画の中で、その「なにか」が上手く描かれていたのか?
それを感じ取れなかった(笑)
これが台詞だったり、普通の演技なら「下手だな」とか解るんだろうけど。。。
ところで、これはもちろん『白鳥の湖』を背景にしているわけで、
背後に流れているのはチャイコフスキーのあの名曲であるし、
携帯の着信音まで、あの有名なフレーズだったりするのだが・・・
(そーいえば、NHKの名曲探偵でのこの曲の回は面白かった)
みかん星人がこの『白鳥の湖』のメロディーを最も魅力的に感じたのは、
『ルパン三世』のいちエピソード『国境は別れの顔』だ。
次元が主役のエピソードはどれも傑作ぞろいだけれど、
この『国境は別れの顔』は、その音楽の編曲もあって、まさに圧巻だったなぁ。
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コメント
きしさん、コメントありがとう。
あっちの方、すっかり遠のいてる私です(笑)
これこそ「あの俳優あってこそ映画」ですね。
この作品で、それを評価されて、受賞できた事か、おぢさんにはなんともうれしい事だったり(笑)
さて、、、次のポートマンが楽しみです
投稿: みかん星人 | 2011年6月15日 (水) 午前 10時35分
ハイタカさん、、、、むちゃくちゃホラーですね。
そのあたりは、コメントを下さった「きし」さんの、いつもながらの圧倒的な記事を読んでいただいて、たっぷりと寒心なさってください
http://blog.goo.ne.jp/apheta1969/e/029d8ef4e8351e360382c1f20751779d
次元ですと『荒野に散ったコンバット・マグナム』もいいですね。
投稿: みかん星人 | 2011年6月15日 (水) 午前 10時21分
ご無沙汰しております~。
「ブラックスワン」怖かったです。妄想全開で観てきてしまいました。
投稿: きし | 2011年6月14日 (火) 午後 09時28分
あはは!観たいけど観てないから・・・観てないうちに終わりそうです。はい。同僚には絶賛されましたが・・・ホラーきらいなんですよ・・・。WOWOWをまちます。
次元は好き(笑)
投稿: ハイタカ | 2011年6月14日 (火) 午後 04時08分
ハイタカさん、、、あはは、そこですか(笑)
投稿: みかん星人 | 2011年6月11日 (土) 午後 11時01分
次元
大好きです。ルパン三世観たい
投稿: ハイタカ | 2011年6月11日 (土) 午後 10時47分