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2011年6月 5日 (日)

『ブラック・スワン』

今年のアカデミー賞を受賞した未見の作品の中で、
もっとも観たかったのが、この『ブラック・スワン』だ。

みかん星人は、「俳優が俳優を演じる映画・演劇」、つまり「劇中劇」が好き。
 (『コーラスライン』に魅了されるのが、この部分)
それが「ミュージカル映画」だと【バックステージもの】になるのだけれど、
とりわけこのジャンルが大好きだ。

で、この『ブラック・スワン』は、まさにこうした劇中劇映画の典型で、
主演のナタリーポートマンは、
この映画で「何役」をこなしていることになるのだろう(笑)

さて、ではこの「俳優が俳優を演じる部分」がどうだったか、というと、
いままで見たこともないほどに強烈だったとともに、
ちょっと追いつけない部分があって、正直なところ、消化不良でもある。

俳優が「役」になるというのは、それが「仕事」であるとはいうものの、
やはりそう簡単なことではないと思う。
よく、俳優がインタビューに応えて、
「自分の中に全くない役だったので、苦労しました」と言ったりするが、
この『ブラック・スワン』でポートマンが挑んだのは、
その「『自分の中に無い役』に挑む俳優」という役なのだ。

「サーカスで最も難しいのはクラウンだ」と言われるように、
「出来ない」ことを表現するのは、実に難しい。

それを、脚本の巧さもあって、ポートマンは見事に演じていたと思う。

この「脚本の巧さ」というのは、母親の存在だ。
『塔の上のラプンツェル』でも同じようなテーマが描かれていたけれど、
昨年の『プレシャス』といい、
アメリカでは母娘の関係がややこしくなっているのだろうか?(笑)

ともかく、俳優が「役のプレッシャー」に押し潰されてゆく様子は、
まさにホラー映画のようでもあり、凄まじかった。
が。。。
これは、みかん星人が「バレエ」の理解と経験が足りないからなのだが、
【白鳥】と【黒鳥】が表現すべきニュアンスの違いを、
ポートマンの演舞の中で感じることができなかった。

【黒鳥】に求められる舞踏の中で「なに」が足りないのかは、
脚本ではそれなりに描かれている。
けれど、実際の画の中で、その「なにか」が上手く描かれていたのか?
それを感じ取れなかった(笑)
これが台詞だったり、普通の演技なら「下手だな」とか解るんだろうけど。。。

ところで、これはもちろん『白鳥の湖』を背景にしているわけで、
背後に流れているのはチャイコフスキーのあの名曲であるし、
携帯の着信音まで、あの有名なフレーズだったりするのだが・・・
(そーいえば、NHKの名曲探偵でのこの曲の回は面白かった

みかん星人がこの『白鳥の湖』のメロディーを最も魅力的に感じたのは、
『ルパン三世』のいちエピソード『国境は別れの顔』だ。
次元が主役のエピソードはどれも傑作ぞろいだけれど、
この『国境は別れの顔』は、その音楽の編曲もあって、まさに圧巻だったなぁ。

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コメント

きしさん、コメントありがとう。
あっちの方、すっかり遠のいてる私です(笑)

これこそ「あの俳優あってこそ映画」ですね。
この作品で、それを評価されて、受賞できた事か、おぢさんにはなんともうれしい事だったり(笑)

さて、、、次のポートマンが楽しみです

投稿: みかん星人 | 2011年6月15日 (水) 午前 10時35分

ハイタカさん、、、、むちゃくちゃホラーですね。

そのあたりは、コメントを下さった「きし」さんの、いつもながらの圧倒的な記事を読んでいただいて、たっぷりと寒心なさってください
http://blog.goo.ne.jp/apheta1969/e/029d8ef4e8351e360382c1f20751779d

次元ですと『荒野に散ったコンバット・マグナム』もいいですね。

投稿: みかん星人 | 2011年6月15日 (水) 午前 10時21分

ご無沙汰しております~。
「ブラックスワン」怖かったです。妄想全開で観てきてしまいました。

投稿: きし | 2011年6月14日 (火) 午後 09時28分

あはは!観たいけど観てないから・・・観てないうちに終わりそうです。はい。同僚には絶賛されましたが・・・ホラーきらいなんですよ・・・。WOWOWをまちます。

次元は好き(笑)

投稿: ハイタカ | 2011年6月14日 (火) 午後 04時08分

ハイタカさん、、、あはは、そこですか(笑)

投稿: みかん星人 | 2011年6月11日 (土) 午後 11時01分

次元大好きです。ルパン三世観たい

投稿: ハイタカ | 2011年6月11日 (土) 午後 10時47分

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