『アイーダ』 @ 大阪四季劇場 初日
100回生まれ変わって、、、というよりも、
100体とすれ違う、、、気分だ。
さて。。。
トニー賞の俳優部門でノミネートの対象となるのは、
「その作品の初日の舞台に立っていたこと」だそうだ。
初演の初日の舞台に立つというのは、とても大きな意味がある。
此度の『アイーダ』大阪凱旋公演では、
初演メンバーが揃っているのだけれど、
改めて「初演メンバー」である、という強さを感じた。
それはつまり、その役を自分で考えてモノにしたという経験だろう。
クリエイティブ・スタッフと交流し、
一つ一つの台詞に込められた意味を丁寧に解読し、
『アイーダ』の場合は日本語への翻訳も吟味し、
そして、それまでは存在しなかった人物を造形する。
その経験は、どんなに時間が経過しても体に染み付いており、
きっとその後の経験を加味して、さらに精度を増すのだろう。
いや、間違いなく、その精度が向上していることを実感した。
特に、阿久津ラダメスの変容はどうだろう?
ここ数年の彼は、驚くほど実力をつけていて、
特にその「ロングトーン」が強烈だ。
だから、これまではブレスに奪われていた意識が、
100%歌詞に乗り、そして上手に相手とハーモニーができる。
もはや「アイーダよりもアイーダ本人」としか思えない濱田アイーダも、
ギリシャでホテルを経営する手管まで学んだからか、
「20代前半で命が終わる」事の意義が明確になっていると感じた。
そこには、悔しさもあるだろうし、絶望もあるだろう。
こういった複雑な感情の中で、王女でもある自分を体現している。
もちろん、佐渡アムネリスの完成度の高さは圧巻。
ゾーザー内閣のメンツも素敵だし、
バスケット・ガールの腰つきも麗しい。
いま、大阪に表れている古代エジプトは、
これまで現れたどのエジプトよりも完成度が高い。
実に、羨ましい。。。
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