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2010年8月27日 (金)

明治座八月公演 『つばき、時跳び』

東京は日本橋浜町にある、日本商業演劇の殿堂『明治座』。

ここへは、上野くんが出演した『テネシー・ワルツ』を観に行ったが、
その時の「衝撃」は、かなりのもので、記事でもそんな事から書いてある。

その、歌舞伎や新派の小屋が、今月の芝居として掛けているのは、
『演劇集団キャラメルボックス』の成井豊氏の脚本演出作品『つばき、時跳び』。

タイトルからも予感できるように、時間モノだ。
原作は、クロノス・シリーズや『黄泉がえり』の梶尾真治氏で、
どうやらこの作品は、先に「明治座での上演」が決まって、
それから、キャラメルの成井氏に脚色と演出の話がいったようだ。

さて、『明治座』は歌舞伎や新派が本道なので、
その設備には、当然、「花道」と「回り舞台:盆」がある。
「花道」の使い方はそれほど凄くはなかったが、
「盆」は、うまく使っていたなぁ。。。

そもそも、なにしおう明治座だから、大道具なんかも超立派なわけで、
セットは見事な2階建ての家だったり、
その背中側に三間幅の部屋が左右に二つ並んでるセットがあって、
この並んでいる部屋が、左右で違う場所として表現されたり、、、
そして、その三か所が、ぐるぐる回って場面が展開されたり、、、と、
普段のキャラメルではありえない、ご立派な舞台装置だった。

で、演出の成井さんは、それをかなりうまく機能させていたと思う。
けど、これ、そうとう苦労したんだろうなぁ。。。
舞台が出来上がるまでの話をじっくりと聞いてみたいものだ(笑)

で、その物語に登場したのは、
福田沙紀ちゃん、永井大くん、金子貴俊くん、勝野洋さん、そして柴吹淳さまと、
そうそうたる俳優さんたち。。。
もちろん、キャラメルボックスからも坂口岡田の二大女優がそろい踏みで(笑)
多田小多田コンビも負けじと大活躍!
 (とくに、今まで「?」な存在だった小多田くんの活躍には驚いた!!)

この作品、もしかしたらもう二度と観られないかもしれないので、
内容に踏み込んでいろいろと書いちゃってもいいのかもしれないけど、
至極簡単に言ってしまうと、「とっても、大人な物語」だった。
これなら『明治座』の格式にもふさわしいだろう。
また、いつもの成井氏(キャラメル)らさしも健在で、
運命的な「ボーイ・ミーツ・ガール」の恋物語も、いつになく熱く麗しい。

「再演は難しい」と思う理由の一つに、上演時間の長さがある。
『明治座』の上演スケジュールは、
【第一幕:55分】休憩:30分【第二幕:55分】休憩:25分【第三幕:55分】で、
本編だけでも約3時間にもなる。
多少は短くできる部分があったとは思うが、
この作品が持っている「大人な物語」を描くには、この尺が必要だろう。

逆に言うと、いつもの120分キャラメル特急は、
「ボーイ・ミーツ・ガール」の恋物語を軽快に描くのに好適な時間なんだね。

梶尾氏の原作にしては珍しく(爆)
タイム・パラドックスを感じる部分がほとんどなかった。
時間旅行に関する部分を軽く流していたのも好い。
この「時間を超える」事に関する重心の掛け具合の軽さが、
「時間を超える」という事が、それほど重大ではないという印象を生んで、
物語が描き出すメッセージの普遍性、
つまり「つながってゆく」という意識がとても上手く表現されたと思う。

これ、映画にしても、面白いかもなぁ。。。

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コメント

成井さんがキャラメルでは出来ない
お金をかけた演出をしたいと仰ってたので
楽しみにしてたんですが、
お上の定めた研修に阻まれて行けませんでした(ToT)
レポート、ありがとうございました♪

随分長かったんですねぇ。
再演は難しいかぁ( ; _ ; )
DVDにもならないんだろうなぁー(T . T)

「つながってゆく」という意識の大切さを
最近とみに感じます。
高校で教えていますが、
いろんなことをつなげていくちから、
人とつながっていくちからを持っている子は、
驚くほど成長が見られます。

先日、M.O.P.の最終公演を観ましたが
まさしくつながっていくことの妙が体現された物語でした。
点が線になって、立体になり、世界になる。
ひとつひとつの点がつながることで
全ては生まれるんだと感じる舞台でした。

この世の全ての物語は、
そういうふうに出来ているのかもしれませんね。

投稿: みひろ | 2010年9月 3日 (金) 午後 10時32分

みひろさん、コメントありがとう。

DVD化は、どーなんでしょうねぇ。
柴吹さん辺りの権利関係が難しい気がしますが・・・・
迷走続く『caramelboxTV』にでるかもしれませんけど(笑)

「お金をかける」というのが、どういう意味なのかは、
この舞台を観て、なんとなく解った気がします。
つまり、専門家に任せる、という事ですね。
「演劇集団」と銘して、すべてを劇団員でやっているスタイルではなく、
たとえば道具といったものを専門家に一任してしまう。
すべてが手堅く、本格的になりますが、手作り感はなくなりますね。

日本では「家」が100年維持されるのは珍しい方ですね。
まあ、富山県の我が家は19世紀の建物で、まさにそうなのですが(笑)
そこには、ですから、何代もの人間の記憶が残っているわけです。
それこそ、柱の傷の一つ一つにドラマがある。
だから、今いる自分は、過去のつながりの先端であり、
今の自分が進む方向が未来へのつながりの端緒なわけです。

こういう感覚は、今までのキャラメルボックスには無かった。
 (まあ『LK』や『アイーダ』というディズニー作品には見られますけど)

今まで「苦手」と感じていたキャラメルボックスの一部は、
もしかしたら、こういう長いスパンを虫眼鏡で観ていたということなのかもしれない。

ともかく、成井作品としては、出色の出来でした。

投稿: みかん星人 | 2010年9月14日 (火) 午前 01時05分

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