『ハート・ロッカー』 vs 『アバター』?
いよいよ、明日は、アメリカのアカデミー賞の発表だ。
最も注目されているのが、ともに最多の候補となっている、
『ハート・ロッカー』と『アバター』の対決だろう。
『ハート・ロッカー』は、
【作品賞】【監督賞】【撮影賞】【編集賞】【作曲賞】【録音賞】【音響効果賞】
【主演男優賞】【脚本賞】の候補。
『アバター』は、
【作品賞】【監督賞】【撮影賞】【編集賞】【作曲賞】【録音賞】【音響効果賞】
【美術賞】【視覚効果賞】の候補。
つまり、『ハート・ロッカー』は俳優と物語において優位で、
『アバター』は見た目の凄さがポイントって事だろう(笑)
『ハート・ロッカー』というタイトルは、
「情熱的なロックンローラー」という意味ではなくて、
「行きたくない場所・棺桶」という意味なのだそうだ。
ハンディ・カメラでの撮影を主体とした、私には少々苦手な画の作品だけど、
一見するとありきたりな物語は、けれど、意外なほどに濃密だと思う。
また、そのドラマを支える音(音響)が素晴らしい。
【録音賞】の候補になっているだけあって、
爆風を感じるような炸裂音や、それに続く破片が降り注ぐ音が、恐いほどだ。
「棺桶に、両足を突っ込んででも、やりたいこと」
は、もしかしたら人には、特に男には、必要なのかもしれない。
けれど、
それが文字通り「命懸け」であるという状況は、正常な事なのだろうか?
こういったメッセージが、女性監督らしい視線で描かれていると感じた。
それは、うがった観方をすると、
「映画をたく・ジェームズキャメロン」
に愛想を尽かした彼女の思いなのかもしれない。
そういえば、この映画の主人公のファミリー・ネームは、ジェームズだ。
さて、その映画少年・ジェームズキャメロン監督は、
『タイタニック』で映画におけるCG技術を飛躍的に革新したけれど、
今回の『アバター』は、まさに、映画に革命をもたらす作品。
トーキーやカラー映画に相当する新技術の確立だろう。
しかも、物語そのものが、「疑似体験」を扱っているのが上手い。
そもそも映画というのは「疑似体験」で、
戦場や災難や宇宙空間のワープを疑似体験する楽しさがある。
また、ヒッチコック監督の『裏窓』では、
絶世の美女とのキスまでも疑似体験できるのが「映画」なのだ。
物語の核である「アバター装置」は究極の疑似体験装置なのだけれど、
観客は3Dメガネを通して受け取る奥行きのある映像に吸い込まれ、
まさに「アバター装置」そのものを体験する事になる。
単なる立体映画ではなく、
物語との相乗効果こそが、この『アバター』の魅力だろう。
それに、よくもまあ、
あれだけイマジネーション豊かな世界を構築したとも思う。
本当の生態系をシミュレートしたような世界観もまた魅力だ。
受賞の行方だけれど、、、
『アバター』は、
【美術賞】【音響効果賞】【視覚効果賞】を取るだろう。
『ハート・ロッカー』は、
【監督賞】【撮影賞】【編集賞】【録音賞】【脚本賞】かな。
で、【作品賞】は、みかん星人としては『アバター』だと思う。
さて、いよいよ明日は授賞式。
どんなお祭になるのか、楽しみだ。。。
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コメント
両作品ともに・・見ていません!
アバターは多分・・DVDかな?(^^;
ハートロッカーは見たいと思っています。
明日の朝はテレビに釘付け状態で家事が進むかどうか・・
でも、お休みの日でよかったわ!(笑)
投稿: taka | 2010年3月 7日 (日) 午後 10時51分