『嵐の中の子どもたち』 @ 練馬文化センターホール
みかん星人の観劇初めは、実は隠れ吉例なのだけど、
今年も、劇団四季の「子どもミュージカル」の鑑賞となった。
06年には『人間になりたがった猫』
07年には『王子とこじき』
09年はは『むかしむかし ゾウがきた』
そして、10年代の最初は『嵐の中の子どもたち』だ。
公式ページによると、この作品は、
「アイバン サウスウォール」著の『ヒルズ・エンド』と
「ヘンリー ウィンターフェルト」著の『子どもだけの町』を原点として、
1981年に作られた舞台だとのこと。
『ヒルズ・エンド 』は、
遺跡の探検中に遭難してしまう子ども達の物語。
また『子どもだけの町 』は、
大人達がいなくなった町で生き延びる子ども達の話だそうで。
なるほど、
この2冊を上手くまとめあげたのが、『嵐の中の子どもたち』らしい。
ただこの舞台の設定は、どの時代の物語なのだろう?(笑)
蒸気機関車が現役で、電話ではなく「無線」が通信手段。
(電話を使わないのには、別な理由もあるのだが・・・)
それでいて、
【村史】に登場する「むかし話」に出てくる年号は1912年。
(あのタイタニック号が処女航海をした年だ・・・)
これは細かい事かもしれないが、
「子ども相手」だからと、設定に手を抜いているようにも思う。
いや、物語ばかりではない。
キャストとして登場してくる俳優達は、
中には『春のめざめ』で大きく成長した俳優諸君もいるけれど、
ほとんど若手ばかりで構成されている。
この全国を巡るツアー・カンパニーのメンバーの顔ぶれに、
どこか「子ども相手」という油断のようなものは無いだろうか?
いままで観てきた「子どもミュージカル」の舞台では、
例えば、『人間になりたがった猫』での渋谷ダドベリや川原スワガード、
『王子とこじき』の柳瀬マイルズ卿。
そして『むかしむかし ゾウがきた』の菊池先生(笑)
こういった、ベテラン俳優が、舞台にメリハリを与えていた。
ところが、
この『嵐の中の子どもたち』には、そういう俳優が見当たらない。
背骨が弱い舞台、のように感じたのは、気のせいだろうか(笑)
セットは、微妙にドリフターズを感じさせるけれど(笑)
大胆な演出を感じさせて楽しいし、子ども達も大いに喜んでいた。
音に関する演出も楽しい。
振付も、『WSS』や『キャッツ』を感じさせるものの、
それは逆に素晴らしい振り付けの連続ともいえるので、良いだろう。
そう、「子ども相手」だからこそ、素晴らしい舞台を上演してほしい。
劇場を後にする子ども達は、誰もがとても楽しそうだったし、
そういう姿をみられるのも、「子どもミュージカル」を観る楽しさだ。
だからこそ、
台詞のひとつひとつをもっと噛み砕き、より平易にしてほしいし、
俳優にも最高の贅沢をしてほしいと思う。
(それこそWSSのチームをそのままもってくるとか?ね(笑))
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