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2010年1月 9日 (土)

『コルテオ』 by シルク・ド・ソレイユ

「サーカス」の起源は、ウイキによると、円形闘技場にあるらしい。
つまり、円形の舞台を観客が見下ろすという状況の中で、
肉体の限界への挑戦や、不思議な出来事を眺めるもの、らしい。

Tent

そういった意味では、
「太陽のサーカス」という意味の『シルク・ド・ソレイユ』は、
その名が示すとおり、まさにサーカスであるのだと思う。
が、初めて観た『コルテオ』は、
いままで抱いていたサーカスの概念を覆すと言うか、枠を飛び越えて、
ミュージカル・プレイと言っても良いプログラムだった。
これは、けっして「サーカス」<「ミュージカル」という意味ではなく、
大変に高いレベルで融合しているパフォーマンスだという意味だ。

Car

「ビックトップ」と呼ばれる大きなテントに入ると、
テントを中央で左右に分けている、大きな幕・カーテンが目を引く。
『コルテオ』とは「行列」という意味なのだそうだが、
そのカーテンに描かれているのは、独特の雰囲気をもった行列の絵。

しかも、そのカーテンは透けていて、
その向こう側に広がるもう一方の客席が見渡せる。
これが、『コルテオ』のテーマとも相俟って、
大変に不思議な雰囲気を演出していた。l

『コルテオ』のテーマを簡潔にいえば【対立】という事かと思う。
クラウンが思い描く自らの【葬儀】とその【祝祭】。
【死】を思い描く事によって際立つ【生】。
あるいは、【男】と【女】、【幼さ】と【老成】、
そして、鏡のような向こう側の客席に感じ取る【もうひとつの世界】。
あらゆる出来事に潜んでいる「二面性」感じ続ける作品だ。

それにしても、舞台に登場するパフォーマー達の凄いこと。
アスレチックな部分での技能の高さはもちろんだけれど、
ひとつの技から次の技へ移るその瞬間にみせる、
ほんのちょっとした指先の仕草などが、身震いするほどに美しい。

このパフォーマンスをさらに盛り上げている音楽も良い。
しかもそれは、生演奏で、
7人のミュージシャンと3人のシンガーで生み出されている。
その音楽パフォーマー達も衣装を身につけてしばしば舞台にも上がる。

『ジルク・ド・ソレイユ』は、カナダを故郷としているらしいけれど、
所在地は「ケベック州」なのだそうだ。
ケベックは、カナダの中でもフランス語圏で、
ローマ・カトリックを信仰している街だ。
この『コルテオ』の中でも、舞台にスモークを出すのに、
カトリックの「香炉」のような玉を利用したりして面白い。
また、全体にヨーロッパの雰囲気に統一されていて、
中世の城で催されていた宴はこういったものだったのだろうと思う。
ピノノワールを飲みながらの鑑賞は、当時の王侯貴族の気分だ(笑)

二幕の途中で、ふと感じたのだが、
ロイドウェバーが『キャッツ』でやりたかっのは、
この『コルテオ』のようなものだったのではないだろうか?
劇場全体を包む統一感や、
「天上」という言葉に潜む死生感は、この『コルテオ』とよく似ている。
特に『ラダー』という演目で、私は不覚にも泣いてしまったのだけれど、
『キャッツ』におけるダンスの核をそこに感じた気がした。

Tent2

24日までと、残り少なくなってしまった。
『マッスル・ミュージカル』でガッカリし過ぎた経験もあって、
この『シルク・ド・ソレイユ』は、まさに食わず嫌いだったけれど、
時間と機会があったら、ぜひとももう一度観てみたいものだ。

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コメント

仙台でおまちしてま~す(笑)

投稿: ハイタカ | 2010年1月12日 (火) 午後 12時06分

さすがの感想です!!!
ラダーの彼に一目ぼれしたからではなく(笑)、他のものに比べてかなり地味目なラダーですが、
ものすごい技術が集約されていて、本当にすばらしいですよね!!!
いつかラスベガスにも見に行きたいです♪♪

投稿: 柴 | 2010年1月12日 (火) 午後 10時06分

観てらしたのですね!みかん星人さんの感想が読めて嬉しいです〜!

私も先月行ってきました。過去にシルクのショーは何度か見ていて、毎回なんだか魔法にかかったような、不思議な感覚を味わったことを覚えています。
今回のショーも、やはり独特の世界観を持っているなあ、とその雰囲気をたっぷり堪能しました。

#TBさせていただきました。あ、URLが変わりました…お手数ですが、リンク先変更していただけると嬉しいです。すみません。今後とも宜しくお願いします。

投稿: yana | 2010年1月13日 (水) 午前 12時55分

ハイタカさん、、、、うーん、仙台ですかぁ。

牡蠣が美味い頃なら・・・ですかね(笑)

投稿: みかん星人 | 2010年1月14日 (木) 午前 01時49分

柴さん、コメントありがとう。

実は、柴さんの記事を読んで、
「柴さんが、そんなに感激するなら・・・・」
という期待があったればこその、鑑賞でした。
あの記事が無かったら、今回の機会は見送っていたのです。

『ラダー』の凄さは、そのパフォーマンスそのものに、「向上心」とか「願望」、あるいは「欲望」とか「虚栄心」というさまざまな要素が、織り込まれていることですね。

それは、それこそデュト様の前で待ち構えるあの瞬間に通じるものだったり、そのためのボールでの跳躍だったりと、まさに「命を輝かせる瞬間」そのものに思えたのです。

いやほんと、、、素晴らしい時間でしたぁ。

投稿: みかん星人 | 2010年1月14日 (木) 午前 01時57分

yanaさん、コメントありがとう。

「魔法の国」という世界あるとしたら、ああいう感じなのでしょうねぇ。
今まで観た、どのパフォーミング・アートとも違っていて、かなり衝撃的でした。

あまり、早く知らなくて、良かったかも(笑)

TBして、リンクを張り替えさせていただきます!good

投稿: みかん星人 | 2010年1月14日 (木) 午前 02時02分

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