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2009年12月 3日 (木)

『戦場でワルツを』

今年の、第81回アカデミー賞で、
外国語映画賞の最有力候補だった『戦場でワルツを』を観た。

Waltz

アカデミーの最優秀賞を受賞したのは、ご存知、『おくりびと』だったけど、
この『戦場でワルツを』がなぜに破れたのか、にも興味があったし、
なにより、あの映像のインパクトを映画館で体験したかった。

ゴールデングローブ賞で最優秀を取った『戦場でワルツを』が、
アカデミーではダメだった、最も簡単で明瞭な理由は、
この映画が、
イスラエルの人々にとって「面白くない過去」を描いているからだろう。
しかも、非道な事をした、というだけでなく、
敵前逃亡などといった不名誉な部分までをも描いているからだ。

だけど、そういう「外野」な部分は別にしても、
この『戦場でワルツを』には、ユーモアが、全く無い。
『おくりびと』が、
本来のテーマである、納棺夫が経験した現実を執拗に描くよりも、
そこに「人間らしいユーモア」を多く取りこむ事で成功したのに比べて、
『戦場でワルツを』は、
あまりにも赤裸々に「人間の生きるための狡猾さ」と正直に向き合っている。

更にいえば、ほとんど実体験で語られたこの映画は、
観終わってみると分かるのだが、
他の映画と比べられるべき作品ではないと感じる。

いわば、この表現方法も含めて、孤高の存在だ。

この、独特の質感をもったアニメは、
いったん実写で撮影されたビデオをもとにして、
けれど、それを加工してアニメにしたのではなく、
ビデオをみながら、アニメーターが描きあげたものだそうだ。

まるで、ネガ・カラーフィルムのベースのオレンジ色を思わせる色づかいや、
適度に誇張された人物の描き方など、みていて、とても面白い。
が、実際にはとても重い内容の物語、
というか、「とある人物にとっての、とある現実」が持つ厳しさがあって、
これは、実写では表現不可能な映像体験だと思う。

お薦めはしないが、まさに必見の1本。

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» 虐殺行為を告発するだけで反省の無い映画だ、戦場でワルツを [オヤジの映画の見方]
アニメーションで表現したドキュメンタリーで、実写より不気味な感じが良く出ている。しかし、この映画は単に戦争で封印した自分の記憶を蘇らせるだけに終わっている。意図的にサブラ・シャティーラの大虐殺を防がなかった反省がまるで無い。... [続きを読む]

受信: 2009年12月14日 (月) 午後 02時32分

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