2009年に観た演劇
今年観た作品は、以下の通り。
『キャッツ』(五反田/大崎)
『むかしむかし、ゾウがきた』
『ソング & ダンス 55STEPS』
『アルデールまたは聖女』
『マンマ・ミーア』(名古屋)
『ジーザス・クライスト=スーパースター ジャポネスク・バージョン』
『春のめざめ』
『hairspray』
『サンデー・イン・ザ・パーク・ウイズ・ジョージ』
『エルコスの祈り』
『スペリング・ビー』
『ウエスト・サイド・ストーリー』
『RENT』
『リトル・ウイング』
『ウェストサイド物語』(地方公演)
『アイーダ』ミラノ・スカラ座
『The Musical AIDA』
『アイーダ』ティムライス&エルトンジョン版 by 劇団四季
『鹿鳴館』
『コースト・オブ・ユートピア ユートピアの岸へ』
『ドリーミング』
『レ・ミゼラブル』
『ヘンリー六世』
『ウェストサイド物語』(秋)
今年初めて観た作品をオレンジに塗ってみたけれど、少ないなぁ。
どれも面白い作品で、見応えのあるものだった。
特に、劇団四季の旗揚げ作品『アルデールまたは聖女』は、
「あんな斬新なものを最初に選んでいたのか」と驚いた。
ただ、そんな斬新だった劇団四季の、
凋落というか、「よくない側面」をたくさん感じたのが『春のめざめ』だ。
先に言っておくと、『春のめざめ』は今年観た作品の中でも出色の出来で、
来年の再演が、いまからとても楽しみな作品。
ただし、今年の上演では、まずその宣伝が下手すぎた。
製作発表の場所で、
「劇団四季には似合わない作品だと言う内部の意見があった」
という説明があったり、
セクシュアルな側面を押し出したポスターを用意したりと、
まるで、
「これは、劇団四季の正当な路線ではありません」
と喧伝するような宣伝だった。
が、
『春のめざめ』ほど、劇団四季の路線に沿った作品は無いと思うし、
公演の後半になって登場した、モリッツを中心にしたポスターは、
躍動感に溢れ、まさに青春物語であることを饒舌に語っていた。
最初からあのポスターだったら、動員数も違っただろうに。
先にも書いたが、『春のめざめは』とても素晴らしい舞台で、
「もう一度観たい作品」として間違いなく筆頭だ。
それは「完成度」というよりも「不安定さ」に魅力があるもので、
舞台に立っていた若手俳優の一人一人の急速な成長と揺らぎが、
日々違う青春物語を、どこか危うげに綴っていて、
いつもドキドキしながら観ていたし、
いまでも、モリッツやイルゼの叫びが心の中にこだましている。
ただ、そのキャストの登用も、劇団四季の悪い部分が露呈していた。
最悪だっのは、主役・メルヒオールを、ほぼ柿澤くん一人に負わせたこと。
その時のストレスもあってか、結局彼は劇団から消えてしまったようだ。
耳目を集めた白瀬くんにしても、まったくアンダーがいない状況で、
それでいながらのロングランを企画する横暴さには辟易する。
まあ、あまり劇団四季の文句ばかり書いても仕方ないが(笑)
同じ演目の短期リバイバルや(またCFYかよ、、、みたいな)
「55周年の55」を延々と上演する無神経さは、脱してもらいたい。
2009年では、来日カンパニーによる公演が面白かった。
一度は観てみたかった『hairspray』は踊れて楽しかったし、
『RENT』は、ブロドウェイの水準の高さにひれ伏した(笑)
中でも、最高に痺れたのは『ウエスト・サイド・ストーリー』だ。
今となっては「オリジナル」がどんなものかは分からないけれど、
ブロードウェイ・ツアーが見せてくれたWSSは、
この作品が、なぜかくも長く人々を魅了するのかを教えてくれた。
9時間を越える、
『コースト・オブ・ユートピア ユートピアの岸へ』や、
一部しか観られなかったけれど、これまた長い作品だった、
『ヘンリー六世』に多くの注目が集まり、
また時間を感じさせない面白い作品だったことが忘れられない。
その一方で、作品の素晴らしさの割りに、客が少なかった、
『スペリング・ビー』だが、、、
こういう面白いミュージカル作品に、客が集まらないというのが、
不況とはいうものの、この国の「ミュージカル成熟度」のように思う。
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コメント
アルデールは本当におもしろかったです。
某所から感想文を書く課題が出されたんですが、ビックリするぐらいスラスラ書けました。
「少しも古くなっていない舞台だ」というのはこういうことか、と思いました。
投稿: マッシュ | 2010年1月 7日 (木) 午後 04時48分
ハイタカさん、コメントありがとう。。。今年もよろしくです。
劇団四季の会報で、『春めざめ』再演の記事があるのですが、
このメルヒが、上川くんなんですなぁ(笑)
ま、再演となったら、戻ってくれるかも、しれませんね。。。
投稿: みかん星人 | 2010年1月 3日 (日) 午後 11時29分
あああ・・・いやな予感はしていたのですが・・・やっぱり(TT)柿澤さんそうだったんですね。
彼には期待していたのですが・・・ゆっくりやすんでどこかに戻ってきて欲しいです。
投稿: ハイタカ | 2010年1月 2日 (土) 午後 04時46分