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2009年11月22日 (日)

『Fresh Musical Concert』 @ 音の箱

過日紹介した『Fresh Musical Concert』に行ってきた。

会場は100人ほど入れば満席の場所。
「楽屋」というのが無いらしく、
会場に入ると、出演予定の「歌い手」達が客席を渡り歩いてたりした(笑)
特にMCの沢木さんは、すでに客を温めていたりする。

とても自由な雰囲気が心地よく、
「ワンドリンク」で選択した白ワインを持って、一番奥の席に向かう。

MCの沢木さんが、
「では、そろそろご覚悟を」と宣して、定刻どおり開始。
MCの沢木さんは「今日、私は歌いませんよ」と言いつつも、
最初の曲、ACLの『ワン』の冒頭の「ワン!」を歌い出す(笑)

続いて、MCの沢木さんによる出演者の紹介。

先ずは、ここ2年ほど舞台で歌を唄っていない吉原光夫くん。
このコンサートには、MCの沢木さんが無理やり引き出したとの事。
「いつかは、バルジャン、ジャベール、そして杉原千畝を演じて欲しい」
と、MCらしい沢木さん。

続いての紹介は、飯野めぐみさん。
50年来の友人・飯野おさみさんのお嬢さんだそうで、いちおモトシキ。
その後は、
最近改名された、和泉沢旭くんこと、森山純くん。
現在国立音大に通っている、最も将来を嘱望されている花田雄一郎くん。
このイベントのプロデューサー鈴木聡くんは、なんとMCの沢木さんのご家族。
そして、我らが瀧澤行則くん。
先日まで、MCの沢木さんの舞台を手伝っていたそうで、丁寧にいぢられてた。
それから、鎌倉市のコンクールで一位を受賞した本多加奈さん。
最後に英語が上手な伊藤丈雄くんが紹介されて、、、始まって15分経過(笑)

さて、いよいよ本番。
「歌いませんよ」と言ったMCの沢木さんの紹介で、
プロデューサー聡君がシャンソンの名曲『幸せを売る男』を唄う。
メリハリのある唄い方で、シャンソン特有の弾ける「幸せ感」が素晴らしい。
と、そんな楽しい歌にガマンできず、やっぱりMCの沢木さんが乱入。
思わぬ親子デュエットとなった。
しかし、最初から想像していたけれど、MCの沢木さん、黙ってられないよね。

と、いうわけで、続きは、
MCの沢木さんとその後輩達の楽しいコンサートの様子を。。。

『レ・ミゼラブル』から『STAR』を伊藤君が英語で熱唱。
最初、歌詞が英語なのは「翻訳歌詞」を唄ってはいけないのかと思ったが、
そういうわけではなく、後半のサビからは耳馴染みのある歌詞になった。
伊藤君は英語が堪能で、ICUで数学を専攻した英才なのだそうだ。

続いて、早くも我らが瀧澤君の登場。
『CATS』から『スキンブルシャンクス』の熱唱。
舞台の時と同じ手拍子が起きる。
スキンブルというと、デュト様に夢中だったりして純真な感じがあるけど、
なるほど、瀧澤君には似合う曲だと思う。
この曲の緩急というか、スピード感が上手く出ていた。

沢木さんもファントムで活躍した『オペラ座の怪人』から2曲。
どちらもクリスティーヌの高音が聞かせ処の名曲。
クリスティーヌを唄うのは、当初は飛び入り予定だった本多さん。
先ずは『Think of Me』。
クリスティーヌは、レミゼのコゼットのようなニュアンスだと思っていたが、
本多さんのクリスティーヌには、むしろエポニーヌのような強さがある。
自分の、乙女としての魅力や価値を知っていて、取りに行く気配だね。
だから、続いて鈴木ラウルを迎えての『All I Ask of You』では、
「恋する乙女の無敵さ」を遺憾なく発揮している。
なんにしても、あんな高音を綺麗に出せるなんて、魅力的だ。

『美女と野獣』から『美女と野獣』を唄ったのは、飯野めぐみさん。
この曲は、劇団四季の演目の中で、彼女のご母堂の役どころ。
「そうだ」と知って聴くからなのもあるのだろうけれど、
いろんな部分で、末次さんを思い起こしてしまう(笑)
特に、歌い出す瞬間の音の作り方がそっくり。
この曲に必要な「慈愛」のようなものが出せれば、完璧だなぁ。

そして、いよいよ、吉原君の登場。
『ノートルダムの鐘』から『僕の願い』を唄う。
確かに、久しぶりの本格歌唱という感じなのか、声に深みが無いものの、
歌のメッセージが見事に表現されていて、これはさすが。
とくに後半のドラマチックな展開は、観てもいないのに舞台が思い浮かぶ。

舞台が思い浮かぶという意味では、
続いての『ライオンキング』からの『Endless Night』も良かった。
和泉沢君と瀧澤君のデュエットで聴くシンバの覚醒は、
荒削りで、背景の物語そのものを感じさせる深さはないものの(笑)
歌詞そのものが持っている瑞々しい充実感が眩しいほど伝わってくる。

そして、まだ19歳という新進気鋭の才能が登場。
花田くんが歌ったのは、『回転木馬』から『If I Love You』。
彼が凄いのは、マイクに息の吹きつけ音が入らない事。
要するに、呼気のほとんどが音になっているって事なんだね。
だから、スローバラードなこの曲を実に余裕を持って唄い切る。

続いて、再び伊藤君が登場して、
『マイ・フェア・レディー』の名曲『君住む街角』を唄った。
ちょっとキザっぽい雰囲気が楽しい。

第一部の最後は、吉原君のユダが登場。
JCSの冒頭のあれ、『彼らの心は天国に』を、彼は、演じてくれた。
余分な演出の無い状況で、これを真剣に演じ歌い上げられてしまうと、
ちゃんと目の前に、記憶の中にある舞台が、浮んでくるから凄い。
下手な演出で混乱ともの足りなさを残す、あっちのS&Dとは大違いだ。
聴き終えた頃には、ノドが乾くような感覚で、舞台を観たい欲が募っていた。

まだ、二部へ続きます(笑)

【第二部】

全員での『聖者の行進』で後半がスタート。

続いて、鈴木プロデューサーが『オーシャンゼリゼ』を唄うと、
やっぱり黙っていられない沢木さんが加わって、後半も加熱ぎみ。

そこへ、飯野さんの『アメイジンググレイス』。
数多あるスタンダードの中でも屈指の名曲をそつなく唄った。
できるなら、『On my own』辺りが聴きたかったところかな。

注目の、吉原くんによる【チェ】が登場。
『エビータ』から『こいつはサーカス』を唄う。
緩急をつけないと説明的な歌になってしまうこれを、
さすがはミツヲさん、上手にこなす。
ただ、【チェ】に感じたい「嘲笑」がなくて、真面目すぎたかもしれない。

『エビータ』からもう一曲が、瀧澤くんによる『マガルディ』。
「悪役ぶる」感じを演出すべく、帽子を目深に被っての歌唱。
やっぱり「色気」が足りないと感じたけれど、
伸びやかな歌声は、歌手・マガルディらしくてOK。
ただ、そうね、腹に一物あるニュアンスを出すには純粋すぎるかも(笑)

ここからは、日本の歌曲。
沢木さんの母君が作詞された『ふるさとの歌、花』を、
鈴木プロデューサーと沢木さんが二人で熱唱したあとは、
『人間になりたがった猫』から『素敵な友達』、
『ユタと不思議な仲間たち』から『友達はいいもんだ』を、
和泉沢くんと花田くんの二人でデュエット。

伊藤くんの『愛せぬならば』(BB)に続いて、
飯野さんと瀧澤くんによる『Written in the stars』(アイーダ)。
この『星のさだめ』が、なかなか面白かった。
飯野アイーダはともかくも、
ひょろ長い瀧澤ラダメスは、どうみても、将軍さまではなくて学者さま。
「ナイル河学術調査隊の研究員その1」といった感じ。
でも、歌は、綺麗にまとまり過ぎている感があったけれど、なかなか良かった。

そして、最大の見せ場がやってきた。
本多クリスティーヌが再登場し、吉原ファントムとの『オペラ座の怪人』。
吉原くんは入れ込みすぎだったけれど、びくともしないクリスティーヌが凄い(笑)
確かに、本当に怖いファントムだ、、、音の暴力で支配しそうだ(笑)

「良い夫婦の日」にちなんで、
和泉沢くんが『Get along together』を唄い、
伊藤くんが、『ジキル&ハイド』から『時は来た』を唄った後は、
全員で、再びACLからの『悔やまない』で締めくくり。

アンコールの呼び声も無いウチから、沢木さんがはりきってて、
吉原くんと『スーパースター』の大熱唱大会で、ようやく大団円。

劇団四季の「S&D55」で感じていた不満の一つは、
中途半端な演出の変更によってオリジナルが壊されているという感覚。
あの中では、唯一『早く王様になりたい』が楽しめた程度。
しかし、今回の、ただピアノ1本のステージの場合は、
その歌の印象を聞き手が勝手に受け取れる自由がある。

ただ、それは、シンガーの資質によるところが大きいのも事実。
ただ「この歌が好きだから」というレベルでの歌唱から、
その場面の前後をも感じさせる強烈なレベルまで、いろいろあった。

沢木さんの夢は、
このステージを1500人規模の小屋に掛けることだそうだが、
大賛成だ。
無駄な演出をせずに、純粋にミュージカル・ナンバーを楽しめるコンサート。
そこには、輝かしい未来をもった新星も登場するだろうし、
さまざまな経験を持ったシンガーによる煌く歌唱もあるに違いない。
そういうコンサートが定期的に催される事で、
ミュージカルを愛好する人口が増えてくれると嬉しいと思った。

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コメント

ステキなコンサート!
ソンダンでなく、ソンソンが出来そうですね!(笑)
そのまま全国公演してくれませんかね??
某劇団のお話が多かったって聞きましたが、、そのあたりの会話って聞きづらいものでしたか??

投稿: taka | 2009年11月26日 (木) 午前 09時46分

takaさん、コメントありがとう。

ダンスってのはありませんでしたからね。
そのうち、もっと大きな場所で、やれる日がくるかもしれません。

劇団四季のお話ですか?
うーん、、、そんなに出なかったという印象です。

そうですねぇ。。。
飯野さんは、実は劇団をクビになっていたんだー、、、とか、
音大在学中の花田くんを御大が聴いたら連れて行きそうだ、、、とか、
そんな事ぐらいしか記憶に無いです(笑)


こちらの記事の方が面白かったりして(笑)
http://ameblo.jp/tackey-yuckey/entry-10395562909.html

投稿: みかん星人 | 2009年11月27日 (金) 午前 10時22分

どうやら、5月に、またこのコンサートがあるようですね。

平日2日間を考えているようです。

楽しみだなぁ。

投稿: みかん星人 | 2009年11月27日 (金) 午前 10時26分

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