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2009年9月19日 (土)

『鹿鳴館』 200回公演

もう、観る機会はあるまい、と思っていた『鹿鳴館』だったのに、
「通算公演回数200回記念プレゼント」に興味をそそられて、
ついつい観劇してしまった。

鹿鳴館の舞台は明治19年11月3日。
西暦で言うと1886年のこと。
自由劇場でこの前まで掛かっていた『春のめざめ』は、1891年のドイツ。
つまり、
メルヒオールやモリッツが10歳だった頃の日本が、同じ舞台に再現されている。

少し前に「四季なびgation」に、その舞台の美術に関する記事が載り、
また200回の翌日にはその後編が掲載された。
これが、じつに面白い記事で、「そうだったのか」と感嘆する。
特に【額】に関する解説は興味深い。
記事に登場している美術監督の土屋茂昭氏は、
トロイ戦争は起こらないだろう』のイベントで大変に面白い話を伺った。
『鹿鳴館』でも、こういう美術に関するイベントが欲しかったなぁ。(あったっけか?(笑))

その美術に関する記事、また観劇後の続編を読んだ事もあり、
今回の観劇は、今までに無くドラマが伝わってきた。

特に2幕、クライマックスで清原が再登場したきた場面からが凄かった!
今までと違って影山伯爵が舞台上手の椅子に座る演出の変更があって、
3人の関係が舞台の前方で濃密に絡み合う。

そして、ここでの山口清原が、圧巻だった。
「圧巻」というと演技過剰なニュアンスがあるかもしれないが、
二幕の山口清原はとても繊細なのだ。
下手をすると「朗読劇」かと思えるような、とつとつとした台詞まわしで、
綱渡りのような最小限の演技をみせていた。
それでも、それが確信をもって抑制された演技だと感じさせたのは、
山口氏の視線と、その声の響。
そこには、慙愧、喪失、絶望が色濃く滲んでいて、痛々しい。

お陰で、『鹿鳴館』は、とてもよくできた芝居なのだと再確認したものの、
こんなにも「華」を感じられない舞台は、やっぱり寂しい。
せめて一幕がもう少し短ければと思うのだけれど。

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コメント

>みかん星人さま
200回記念公演行きたかったのですが、27日となってしまいました。
装置がいいです。直前にコンドル博士の作品を観てから観ましたので、お芝居であることを忘れて、シャンデリアや壁紙、階段の親柱に見入っておりました。江戸東京博物館に模型もありましたよね。
>こんなにも「華」を感じられない舞台は、やっぱり寂しい。
福井さんが久雄だったらどーでしょーか。

投稿: とみ(風知草) | 2009年9月29日 (火) 午前 12時49分

おとみさん、コメントありがとう。

ぢつは、タガーベアくんが、
江戸東京博物館の「鹿鳴館模型」を眺めている写真があるのですが、
なかなか公開できずにおります。

ジョサイアコンドル博士の名作建築を巡る旅、、、良いですね。
ニコライ堂も、そうでしたかしらね。。。


華は、どーでしょう、、、
たとえば朝子が階下に「たんか」を切る場面など、
もう少し芝居がかると云うか、苛烈に描いても良いのでは?
なんて思ったりします。

笑いが起きないと云うのも、もの足りない感じですね。

投稿: みかん星人 | 2009年9月30日 (水) 午後 07時02分

「鹿鳴館」初めて観てきました。
ドレスに興味があったので、衣擦れの音までが美しく、
なかなか質感豊かなもので、満足です。
久雄の衣装、福井さんも似合ったでしょうね…妄想。

四季の長いストプレは見たことがなかったのですが、
最後まで飽きることなく観ることができました。
台詞の“言葉遣い”がすんなり入ってきたからだと思います。

投稿: ぽんこ1号 | 2009年10月 6日 (火) 午前 05時52分

ぽんこ1号さん、コメントありがとう。

「衣擦れの音」は、まさにストレート・プレイの醍醐味かもしれませんね。
息を詰めて、俳優の息遣いまでも夢中で堪能する。

例えば、クライマックス、
朝子が思わず「親子」と告白してしまうその瞬間、
下手階段の上で顕子を気遣っていた季子が「まあ!」と驚くその人間らしいドラマ。
こういうのは、ミュージカルではなかなか観られない瞬間です。

劇団四季は、そもそも、フランス演劇の劇団ですので、
本来は、ストレートプレイにこそ見るべきモノがあると思うのですが、
それこそ、オールスターで上演する『思い出を売る男』なんて、
平日の客席は寒気がするほどガラガラです。
「劇団四季=ミュージカル」という図式が強烈なのでしょう。
 (しかも、解り易い簡単なミュージカルなんだよなぁ・・・)

もったいないなぁ、、、と、かねがね思っています。

投稿: みかん星人 | 2009年10月 7日 (水) 午後 11時08分

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