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2009年9月20日 (日)

『オーケストラ 名作シネマ館』 by 東京フィルハーモニー交響楽団

宣伝コピーが、
「あの名シーンが時を越えて、オリジナルの映像と歌声、
 そして生のオーケストラ音楽とともに鮮やかによみがえる!」

という『オーケストラ 名作シネマ館』というコンサートに行ってきた。

「映画音楽をオーケストラが演奏するコンサート」は、さほど珍しくない。
私も、会場である『東京オペラシティー コンサートホール』に着くまでは、
「久しぶりに気楽なオーケストラ鑑賞」という程度の心持でいた。
ところがこれは大変に画期的なコンサートだったし、
「ミュージカル映画」が好きになった、その原点と理由を再確認させてもらえた。

このコンサート、何が画期的かと言うと、
名作ミュージカル映画から、その「映像」と、その「ボーカル」を取り出して、
それに合わせて「東京フィル」のフルオーケストラが「音楽」を演奏する、
まるで【逆カラオケ】といった感じ

具体的に言うと、、、最初に取り上げた作品は『オクラホマ!』。
冒頭の呑気な歌『すばらしい朝』が最初の曲。
ステージの後ろ、パイプオルガンを覆い隠すように設えられたスクリーンに、
映画のオープニングが映し出され、合わせてオーケストラがメインテーマを演奏する。
やがて、馬に乗った主人公・カーリーが農道をやってきて、
「Oh! What a beautiful morning. Oh! What a beautiful day.」
と歌うと、オーケストラはその唄の伴奏をする。

歌声は映画の中の歌声、つまり「ゴードン マクレー」の声だけれど、
伴奏の音楽は、映画の中の音ではなく、オーケストラの音なのだ。

もちろん、こういった「歌だけ」の場面ではない。
『オクラホマ!』の名場面、カーリーとローリーの結婚式も披露された。
この場面の曲は、いまは終ってるTDSの『アンコール!』でも組み込まれていた、
タイトル曲の『オクラホマ!』。
陽気で楽しい歌に加えて、結婚式に集まった人々のダンスが素敵な場面。
当然、そのダンスにも、オーケストラの生演奏が伴奏する。
一糸乱れぬダンスに、オーケストラのテンポがピッタリと寄り添う。

最初は、なにかトリックを見ている、というか「聴いている」気がした。
目の前でオーケストラが演奏しているのは確かだけれど、
聴こえてくる音は、スクリーンの中の出来事と完全に調和している。
このトリックは、コンサートの途中で解説されたけれど、
要するに、指揮者(コンスタンティン キツォプロス氏)が、
映像とタイミングを表示するディスプレイを見ながら、オーケストラを導いているのだ。
古いミュージカル映画では、画の「ノリ」を生かすために、
時々音楽の拍を調整している部分があったりするそうだけれど、
そういった1拍少ない場面は何とか調整して、シンクロさせるとの事。

順番が前後した感があるが、この日のコンサートのテーマは、
『ロジャース&ハマースタイン@The Movies』というもので、
「リチャード ロジャース」と「オスカー ハマースタインⅢ」という、
ミュージカルの神様コンビが生み出した作品が取り上げられた。
先ほどの『オクラホマ!』に続いては、
『回転木馬』『王様と私』そして『南太平洋』と揃い踏み。

中でも『王様と私』からの『Shall we dance』は、素晴らしかった。
なにしろ、気がついたら、私は泣いていたのだから。

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