« 『「家系図」を作って先祖を1000年たどる技術』 | トップページ | 比べるべくも無い。。。 »

2009年9月15日 (火)

『かっこちゃん 1―「心を育てる」感動コミック VOL.4』


山元加津子さんのねがい かっこちゃん 1―「心を育てる」感動コミック VOL.4

  • 池田奈都子
  • インフィニティ
  • 1260円

Amazonで購入
書評

「『心を育てる』感動コミック」の第4弾を手にした。
最初の作品は『愛と感謝の美容室 バグジー』
続いて『一人ひとりに未来を創る力がある テラ・ルネッサンス』だった。

この二つの『心を育てる感動コミック』シリーズ作品は、簡単に言うと、
「国家、企業、そして利益のために個人をないがしろにしてはならない」
というメッセージがあったかと思う。
誰もが、「自分にとって、より良い明日」を目指し、
そして互いにその目標と努力を支援できるなら、
自ずと企業は儲かり、世界は平和になるだろう、といったメッセージだ。

シリーズ4冊目(3作品目と言うべきか?)となるこの本『かっこちゃん』は、
その「自分にとって、より良い明日」への指針を見出すこと、
そして周囲の人が「より良い明日」を送れるよう支援するのがテーマだ。

だがそれは、意外にも、とても簡単な「魔法の言葉」で実現できると、
この本の主人公、現代の魔女、山元加津子さんは言う。

みんな そのままで 素敵なんだよ』、、、という、魔法の言葉で。

主人公は、養護学校の先生をしている山元加津子さん。
その愛称が、タイトルになっている「かっこちゃん」。

この人は、とても不思議な魅力を持っている人のようだ。
 (YouTubeには彼女の講演の様子がいくつかあるので参照あれ)
その原点は、彼女のご母堂にあるらしい。
「運動音痴でおっちょこちょい」な彼女に向けて、
そんなかっこちゃんの、そのままが大好き」と伝えて育まれたとの事。
ひとつの章を使って描かれる「かっこちゃんってこんな人」という部分は、
かっこちゃんが伝えたい事を、とても具体的に表現している。

この『感動コミック』シリーズは、コンセプトの割に「ト書」が多く、
マンガで物語が進む場面が少ないのだけれど(笑)
この『かっこちゃん』は、とても可愛い画と、適度なネームで物語が進む。
お陰で、電車の中で読んでいる時、強烈に涙腺を刺激されて焦ってしまった。
ちゃんとマンガとして成立しているからこそだと思う。

このブログでは、映画にしろ舞台にしろ、もちろん本について書く場合でも、
なるべく内容そのものには触れないようにしている。
けれど、この本に関しては、とある理由で、その一部分を引用しよう。

 私たちが今、元気に明日に向かって歩いていくことができるのは、過去に病気や障がいを持って苦しい生活を送ってくれた人がいるお陰です。もしその人がいなかったら私たちは今ここにいないでしょう
 今、私たちの生きている社会にも、障がいや病気を背負っている人がたくさんおられます。その人たちは、未来の私たちの子孫のためにも、私たちが支えていかなければならない大切な人たちなのです。

唐突に結論だけを引用しても分からないかとは思うが、これは例えばこういう事だ。

アフリカでは、しばしばマラリアが大流行して、時に村を全滅させてしまいそうになる。
ところが、マラリアが発症しない人が一定レベルで存在し、全滅はしないらしい。
その人たちは、しかし、「鎌状赤血球症」という遺伝病を持っているというのだ。
詳しい事は「鎌状赤血球 マラリア」で検索すると解ると思うが、
要するに、
「鎌状赤血球の遺伝子を持っている人がいるお陰で全滅しない」
と考えることもできる。

他にも、
スペインで700年前に流行したペスト(或いは天然痘)を生き抜いた人々の子孫は、
HIVが細胞に進入するのを遮断する力を持っているという研究も報告されている。

この本では、こういった研究を踏まえて、
障がいとか病気は(人類にとって)とっても大切で、
 それは科学的にも証明されている

という事を多くの人に伝えようともしている。(なので、ここでも引用した)
その、伝えようとする「いきさつ」がまた、とても感動的なので、
この本を、価格がやや高いけれど、手に取って、読んでいただきたい。

さて、前の二つの『心を育てる感動コミック』では、
正直なところ、その読者ターゲットが見えてこなかった。
が、今度の『かっこちゃん』は、ぜひとも読んで欲しい人がいる。
それは、【親】という立場の人だ。

きっと、多くの人がこの本を読んで感動すると思うし、
「まず大人が読んで、魔法の言葉を実践すべきだ」
と感じるだろうと思うが、それはしかしながら、期待できない希望だ(笑)
出来上がってしまった【大人】は、いまさら、
みんな そのままで 素敵なんだよ』とは本気で言いにくいし、
それには不断の努力が必要になるだろう。

けれど、未完成の子ども達に、この魔法を実践させるのは、難しくない。
そう、山元さんのご母堂がしたそのように、我が子へ接してもらえば良いのだ。
やがて、その子達が、魔法の言葉を胸に社会を運営してくれれば良い。
時間の掛かる話だけれど、
【親】がこの魔法を信じて、半世紀も努力してくれれば、
その未来は、かなり違ってくるだろう。

未来に魔法をかけられる【親】である人の必読書として、
あるいは【親】になった友人へのプレゼントとして、
この『かっこちゃん』は、大変にお薦めである。

【書評リンク】

mummykinoi1970 さん
本宮とが さん
甲斐小泉 さん
Gori さん
風竜胆 さん
keibi402 さん
solis さん
イソップ さん
すずはら なずな さん

|

« 『「家系図」を作って先祖を1000年たどる技術』 | トップページ | 比べるべくも無い。。。 »

コメント

みかん星人さん
トラックバックありがとうございます。
以前は良くお邪魔したのですが久しぶりに訪問しました。
また寄らせて頂きます。

投稿: crvmain | 2009年9月16日 (水) 午後 10時05分

crvmainさん、コメントありがとうございます。

この「本が好き!」プロジェクトに、私も少々疎くなっていたりしますし(笑)
人生は、いろいろですsmile

これからも、よしなに。

投稿: みかん星人 | 2009年9月17日 (木) 午後 02時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/60933/46132137

この記事へのトラックバック一覧です: 『かっこちゃん 1―「心を育てる」感動コミック VOL.4』:

» かっこちゃん 1―「心を育てる」感動コミック VOL.4 [本の宇宙(そら) [風と雲の郷 貴賓館]]
 「生きるってすばらしいよ   大好きってことが大切なんだよ   人は皆理由があって生まれてくる   皆、そのままが素敵なんだよ・・・・・・・」  この本の主人公であるかっこちゃんは、山元加津子さんという石川県で養護学校(特別支援学校)の先生をしている...... [続きを読む]

受信: 2009年9月16日 (水) 午後 07時01分

« 『「家系図」を作って先祖を1000年たどる技術』 | トップページ | 比べるべくも無い。。。 »