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2009年8月 6日 (木)

『春のめざめ』 & イベント「~すべて知りたいの 『春のめざめ』~」

「よもや」と思っていたメルヒオール役俳優の交替があったのと、
オフステージ・イベントもあって、しかもB席が出たので、ついつい行ってしまった。

先に、イベントに関して。
上川一哉くんのメルヒオールに関しては「続き」に書きますので、飛んでください。

イベントに関して、、、とはいえ、内容に関してそんなに書いても仕方ないので、
こちらのSNSコミュニティーを、読める人は、読んでいただきましょう。
参加したイベントの内容を他のサイトに丸投げするなんて珍しいけれど、
ぢつは、それなりに思うところがあったりする。

『春のめざめ』にイベントが発生した時に、
「バックステージ・ツアーには参加したいけれど、オフステージには関心が無い」
と感じた。
そして、その後に発表された「リハーサル見学」は、絶対に行かない、と思ったし、
そのイベントを想像したときに、オフステージに関心が持てなかった理由も自覚した。

「この作品を演じている俳優の素顔を知りたくない」

例えば『アイーダ』のイベントなら、どんな内容であれ、それが東京であるのなら、
かなり足繁く通ってしまいそうだ、、、お金があれば、だけれど(笑)
それは、
「俳優が、演出が、作品をどう読み解いているのか?」
に強烈な関心があるからだ。
架空の物語に命を吹き込むその過程の一端でも知りたいと思うからだ。

けれど、この『春のめざめ』という作品は、やっぱり少し毛色が違う。
『春のめざめ』では、「役」が、そのまま「俳優」であるという錯覚(幻覚)が強い。
だから、「ぢつは、こんな気持ちで演じています」というのを、知りたくないのだ。
彼らが、もちろん努力して演じているのは承知なんだけどね(笑)

さて、上川一哉くんのメルヒオール、、、これもまた、凄かった。

柿澤くんは、今となってはほとんど「メルヒと同一」「メルヒそのもの」で、
先に書いたように「演じているんです」なんと思いたくない程の完成度。
特に、母音法から開放された感のあるセリフは、まさに15歳の男の子であり、
不安と、情熱と、怒りと、辛さと、孤独と、そして愛したい気持ちに溢れている。

この段階になって、突如登場した上川一哉くんのメルヒオールは、
しかし、想像とは全く違う、それでいながら、とてもリアルなメルヒオールだった。
あまり、比較しても意味がないと思うけれど、
柿澤メルヒオールが「剛」のメルヒオール、
上川メルヒオールは「禮」のメルヒオールだなあ。

上川メルヒオールは、ともかく穏やかで、優しい。
「総てを信じない」のは、反抗ではなくて、知性からであって、
あらゆる事が、知性と、優しさが起因となり、
「優しい事が、けっして、良い事ではない」というニュアンスも漂う。

それにしても、やはり劇団四季のこのキャスティングは、大きなミスだと思う。

いまの『春のめざめ』のカンパニーが感じさせる「チームワーク」は、
まるでツアーをしているカンパニーのように強固に感じられる。
そこに、ただ「メルヒオールができる」という資質だけで、
前日まで他のカンパニー活躍していた俳優を投入するのには、難がある。

それに、これが最大の失敗だと思うが、これほど魅力的なメルヒオールがいたのに、
それを今まで登場させて来なかったという点だ。
もし、もっと早く、できれば5月中に、もう一人のメルヒオールが出ていたら、
柿澤くんの成長も、そして他のメンバーの変化も、
もっともっと大きな物になっていたと思う。
 (事実、厂原モリッツ登場後に戻った三雲モリッツの変化は凄かった)

また、この6通りの変化は、一層の観客動員につながっていたと思う。

劇団四季は、この『春のめざめ』で、大きな失敗を幾つもしていると思うけれど、
メルヒオールを柿澤くん一人に負わせたのは、その最たるものだと確認した。

ま、それでも、残り少ない『春のめざめ』
もう一度ぐらいは、イベントの無い日に、観に行きたい。。。
始まった頃から予感はあったけれど、まさに、はまっていると思う作品だ。

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