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2009年8月 9日 (日)

今日の、福井晶一くん、、、見事な死に様!

久しぶりに、福井くんを拝見しました。

Wss2

先に書いてしまうと。。。
「ワールドツアーWSS」と「劇団四季WSS」の最大の違いは、
役者、歌、演出といった部分ではなくて、「オーケストラ」の違いが大きい。
それは劇団四季WSSが録音であるのに対して、
「ワールドツアーWSS」が「生演奏」という部分ももちろんあるんだけれど、
「音楽」そのものがかなり違う。
こちらの記事に載せたYouTubeの映像を聴けば分かると思うけど、
この『なにかが起こりそう』、
「ワールドツアーWSS」のは、管と打楽器を全面に出して軽快でマーチのよう。
 (このオーケストラ、金管が5人、木管が4人ほどいた・・・全部で20人以上!)
ところが、劇団四季の録音オケは、弦が主体で、
滑らかではあるが時に重く、とても「予感にわくわくする」ようには聴こえない。
それは他の楽曲でも同じで、
特に、劇団四季の『トゥナイト-クインテット』の録音オケは、
何が鳴っているのか判らないほどに混沌としていて、
舞台の上の多重唱と重なると、音圧は見事だけど、鈍重に聴こえる。

劇団四季は、10月からの東京での『アイーダ』も録音でやりそうなんだけど、
『オペラ座の怪人』すらも、東京以外では録音オケ上演というのだから信じられない。
基本的に「ミュージカル・プレイ」は生演奏がデフォルトだと思う。
 (しかも、生オケではない理由が「演奏者不足」というから驚きだ(笑))
東京でのWSSは生演奏だったし、だからオーバチュアの「マンボ」も魅力あった。
 (神戸のこの回では、お客さん?がオーバーチュアで「マンボ!」と叫んでくれたgood
それでありながら「これが本物」と言うのだから、笑ってしまう。Wss1

と、
「ワールドツアーWSS」と「劇団四季WSS」の格の違いがあっさりと判ってしまったので、
その後は、ひたすら俳優の演技に注目していた(笑)
 (歌い出しても、歌ではなくて演技に注目。。。という感じsmile

まず、素晴らしかったのは萩原くんのベルナルドだ。
夢を抱いてやってきた新世界で受けた屈辱の数々が、
たぶんに、妹や友人を大切にする彼の優しさを苛んで、
絶えず苛々している男・ベルナルドがいた。
加藤ナルドのような「怖さ」ではない、むしろ「痛々しい」ナルド。
とっても愛しいベルナルドだった。

そして、我等が福井トニー。
正直いえば、このソワレの彼は、一幕では「まあまあ」だった。
が、二幕、まず『Somehere』での総てが、泣けるほど良かった。
けっして足元を見ることも無く、ひたすら理想を夢想するトニー。
予感していた「なにか」と出会って、本当の「アントン」を生きようとするトニー。
やわな(笑)バレエではない、誇りと期待に満ち満ちているパワフルなダンス。
まさに、福井晶一くんの独壇場という場面だった。

靴紐もなんとかこなした彼の、更なる高みは、ラストにあった。

舞台の上で、重要な人物が死にゆく場面はいくつもあるが、
このWSSのトニーと、レミゼのエポのそれは、
「ミュージカル作品らしい死に方」の典型かもしれない(笑)

要するに、歌いながら死んでゆくという、
ミュージカル嫌いな人にとっては最悪の場面(格好の標的?)になっている。
実は、みかん星人も、こういう場面は、ちょっと苦手だ(爆)
でまぁ、だから、もう一人のトニーくんの、
まだまだ元気そうな死に方には苦笑したものだ。。。

しかしながら、福井トニーくんは、この日、とても見事に逝った。
そもそも、この記事で福井狂さんが書いている、
「福井くんの死に方はすごく上手い」というのは聴かされていたけれど、
「まだ、本当に信じてはいなかったんだ」といったところだった。
が、この舞台のトニーくんの死に様は、
まさに「信じなかった自分自身に対する悔しさでいっぱい」の風情で、凄い。

冒頭にも書いたけれど、「ワールドツアーWSS」を観た後なので、
いま、劇団四季のWSSを観たら、すごくガッカリするのでは?と思っていたのだが、
実のところ、オーケストラ以外の部分、そして一幕のクライマックス以降は、
劇団四季の舞台がみせてくれる演出の細やかさを再認識していた。
ワールドツアーの舞台は、確かに歌は圧倒的だったし、ダンスも凄い。
けれど「余韻」というか「ため」というか、心情の描き方が大雑把だった。
例えば決闘シーンでのトニーの暴走が伝わってこなかったりしたし、
なにより、このラストシーンでの演出が実に粗く(笑)<ワールドツアー版
「まあ、随分と違うのね。。。」と、そんな事ばかりに感心していたsmile

こうして、改めて劇団四季のWSSをみると、
それが日本語で演じられているから、という事とは全く別に、
一人一人のキャラクターと物語を丁寧に描こうとしているのが分かる。
そして、福井トニーの見事な最期もあって、「なるほど」と思った次第。

尤も、「丁寧だから良い」というものでも無いんだけれどね(笑)
説明過多というか、余計なお世話な部分もあると思う。
 (実際『春のめざめ』は、総てにおいて説明過多)

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コメント

>みかん星人さま
萩原さんのベルナルド。遠征前半と人格変わっておられました。恋人や妹を守り、集団を束ねる優しい兄貴でした。
福井さんの絶好調もあって、サイコーでした。
来週は来日が兵庫県に来られますので行きます。

投稿: とみ | 2009年8月10日 (月) 午後 12時58分

とみさん、コメントありがとう。

いやいや、初めて拝見した萩原ナルドは、
劇団が、この作品に無理やり押し付けようとしている印象とは違うもので、
たぶんにオリジナルが持っている「アメリカという仕組みの怖さ」が感じられましたね。

ワールドツアー、字幕を気にせず、存分にお楽しみください!

投稿: みかん星人 | 2009年8月11日 (火) 午後 11時48分

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