『春のめざめ』 ステージツアー
久しぶりに自由劇場へ。
『春のめざめ』は100回記念あたりは観たいと思ってたけど、
「ステージツアー」という企画も興味津々。
で、予算とスケジュールの関係で迷っていたら、
数日前の夜に、突然B席に空きが出てきたので、ついつい。。。
本編に関しては、後日。。。この記事は、イベントに関してだけ。
このイベントは大変に面白いもので、今までに無い事がありました。
未見の方にも読めるようにしましたので、興味を感じていただけましたら、
この機会に『春のめざめ』を観るのも、本当に、お薦め。
さて、いよいよ、イベントの開始です。
いつものように舞台監督が進行役。
先ずは「ステージ・シート」に関して。
私が座った時「すごくリアルな音」だと感じたのには理由がありました。
なんと、ステージ・シートの下にはスピーカーが仕掛けてあって、
それでセリフと音楽がフィードバックされていたんです。
だから、俳優がここに座った時にでも音がとれていたわけですね。
そもそも、この作品には「場面展開」も「そで」もありませんから、
基本的に、俳優はずーっとステージにいますし、
「場面が変った」というイメージを観客に伝えるのもひと苦労。
そこで、「俳優が幕になる」という概念で演じているそうです。
つまり、
「よし、ここから、違う私だ」
という意思を、役者が明確に表現する事で「場面」を変える、という事。
もちろん(笑)そういうのは役者さんのイメージですので、
観客がそれを本当に捕らえる、というものではないでしょう。
そこで、照明や、オブジェで「場面」を表現する工夫をしているというお話。
この「フォトギャラリー」に見えるもので、例えば「黒板」。
黒板にスポットが当たっている時は「学校・授業」という場面。
また、床に描かれた大木は「樫の樹」だそうで、
これと緑のライトを使って「木陰」を表現したりもするそうです。
壁のオブジェに関してもいろんなお話が聞けましたが、
それは実際の舞台で確認してもらいましょう。
(物語とは無関係のオブジェもあるんだそうです)
さて、いよいよ舞台に乗っての「ステージツアー」なのですが、
なんと、表に出ている部分だけではなく、袖中、つまり裏側にも出入り自由。
しかも、これが画期的なのですが、小道具に触れてもOK!なのです。
ですから。。。
柿澤くんが手書きした「メモ」(これがなんと日本語!(笑))や、手紙の数々、
そして凶器の数々・・・重いものや細いもの、そして花にも触れられます。
そうそう、学生が持ち歩く小道具の「本」は、本当の古書で、中には聖書も。
さて、参加者は約90名といったところで、ツアーは半分ずつ。
客席に残った人達は、あらかじめ書いておいた質問への回答コーナー。
劇場に早く着きすぎたみかん星人は、暇だったので、
たくさん質問を書いて出しておいたら、たくさん読まれて恥ずかしかった(笑)
で、再確認したのは、
この舞台の最大の特徴であるハンドマイクは、本当に使いものになるもので、
「ハンドマイクで唄っている時は『いまの時代』にいる」という演出だということ。
(他の質問は、内容に触れるので、書きません)
あと、ステージにおかれている椅子は、IKEAの椅子で、
けれどカタログ落ちしている製品。。。と言っていたけれど、これかな?
意外と安いけれど、公式ブログにあったように、頑丈に補強してあったり、
役者が使うものには2~3キロの重りを取り付けてあるそうです。
(余談だけれど、TDSのレストランにある「屋外用の椅子」は異常に重い!)
ともかく、終ったのが10時5分と、ちょっと遅いイベントでしたが、
改めて、この作品が「人の力」で成立している事を感じるイベントでした。
大掛かりな仕掛けも無いし、特別な芝居を必要としているものでもない。
ただ一途に「青春の心のありよう」を描き出そうとしている舞台。
簡潔だけれど、一つ一つに思いのこもったステージのディテールを感じて、
ますます、この演目に魅力を感じたイベントでした。
次回は7月16日、そして17日、、、かなりお薦めです。
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コメント
ゆぴさん、コメントありがとう。
私も、梅雨明けのようにスッカラカンの財政なので、
とても芝居なんか観に行けない状況なのですが。。。
はい、あのB席は、罠だと思います。
でも、このステージツアーは必見ですよ。
私も、もしかしたら、残りの2回に行ってしまうかもしれません。。。
投稿: みかん星人 | 2009年7月12日 (日) 午後 05時01分
はまちさん、コメントありがとう。
そうそう「体験」もありましたね。
「前進」はともかくも「上昇」は、ちょっと、やってみたかったかも。。。
もちろん、あの「振り」を思い出したりして、、、<違うイベントだねそれ(爆)
私の他の質問は「埋められているもの」と「隠し持つ方法」と「石版の謎」でした。
あ、、、チョークは、最も硬いものが要求されているそうです。
(なんか、ほんとに、謎解きだなぁ。。。)
もちろん、どんな作品でも、
「作品に関わったひと達の努力」が魅力なのは承知ですけれど、
『春のめざめ』には、作品の解釈というか理解、あるいは展開を含めて、
関わっている人達が等身大で関わっているような手触りを感じるんですね。
(例えば、コンピュータの作動に合わせて演ずるというような部分が殆ど無い)
たぶん、これはこのまま高校演劇でそっくり上演できるでしょうし、
それぞれの芝居が全く違うニュアンスを持つことも可能だろうと思う。
『春のめざめ』は、ですから、大変に奥行きの深い作品だと思います。
投稿: みかん星人 | 2009年7月12日 (日) 午後 04時58分
ステージツアーがかなり気になるものの、怒涛の観劇ウィークで予算的にもパンク状態なので「なかったことに」していたのですが・・・背中を押されてしまいました。
B席でエコ観劇してまいります。なぜか、B席が突如として1席だけ浮かび上がってくるのは戦略なのかと疑いたくなります(笑)
投稿: ゆぴ | 2009年7月12日 (日) 午前 01時13分
みかん星人さん こんにちは
(コメントとトラバありがとうございます。)
みかん星人さんもやはりご参加でしたのね(^^)
ご質問たくさん、のところはあいにく私は見学組でしたので肝心の舞監さんのお答が聞けなくってちょっと残念でした。
あれこれ体験もできて本当にてんこ盛りなバックステージ見学会でしたね。
本当に、人の力で魅力アップな作品だなぁと感じました。
投稿: はまち | 2009年7月10日 (金) 午後 01時04分