『コレクションの誕生、成長、変容―藝大美術館所蔵品選―』
東京・上野の森の西側に『東京藝術大学』がある。
そもそもは『東京美術学校』であり『東京音楽学校』だったのだけれど、
昭和24年に統合された。
音楽の部分では、このブログに何度も登場いただいた方々が学んでいて、
ウイキによると、石丸幹二くんや高井治さん、柳瀬さんもだし佐野さんもそうなので、
『オペラ座の怪人』がいかに贅沢な舞台なのかが分かるというもの。
女性では、井上智恵さんや早水小夜子さんがそうで、
そっか、S&Dって、やっぱり贅沢な舞台なんだなぁ(笑)
井上芳雄くんも、ここの卒業生なんだねー
と、いうわけで、
『東京藝術大学』の「音楽部門」が育んだ才能は、日々享受しているのだけれど、
今回は「美術部門」がもたらした作品の展覧会を楽しんできた。
『東京藝術大学』には『東京藝術大学大学美術館』という施設があって、
それこそ「国宝級の美術品」がごろごろしている(笑)
今回は、その中から「コレクションの誕生」をテーマにした展覧会だ。
鑑定番組でよく耳にする作家の作品ばかりが並ぶ中、
久しぶりにまみえた『序の舞』の凛然とした高潔さにくらくらしたけれど、
白眉は、レオナール藤田が22才の時に描いた作品の初展示だ。
『婦人像』と名されたこの油彩は、けれど、
「あー、藤田嗣治だなぁ」と感じられる部分は余り無くて、
その普通加減が、なんとも面白い。
(それでも、体温を感じる不思議な質感がある)
全部で140点ほどの「コレクション」は、もちろんその一部。
「藝大のコレクション」だから、もちろん学生の作品もあるのだけれど、
その【誕生】となると、基本的には「学校の教材」であったりする。
やがて、収集された作品群を補完する作品も「コレクション」されたりして、
それが、こうして「美術館」として【成長】したわけだ。
展示されていた作品の解説に≪買入≫と書かれたものがあるのだけれど、
その審美眼というか選球眼?が、やはり「芸術家」っぽい。
つまりその作品の「選択理由」が見えてきたりする。
「あー、これは、この部分を評価して手に入れたんだろう」なんて思う。
「欲しかったから集めた」というよりも、
ある種の「機能選択」みたいなものがあったりして、
そこに「コレクション」という言葉の深意を感じたりした。
小1時間もあれば満腹できるこの展覧会は、8月16日まで。
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