『小さな愛の物語 スンホとリナ』 by オ・スンホ+永井利奈
韓国から日本へ留学に来ている「スンホ」君と、
東京育ちの普通のOL「リナ」さんが二人で綴った恋愛エッセイ。
構造がちょっと面白くて、
4コマ×3列=12コマの漫画、1ページのエッセイ、イラスト+コラム?
の3つがセットになって、これが31タイトルという本。
- オ・スンホ+永井利奈
- マガジンハウス
- 1000円
「国際結婚」の手前「国際カップル」の関係を面白くまとめた本。
スンホ君はデザインの勉強をした人で、
日本には「結果を出すため」に留学しているとのこと。
この本のマンガは彼が描いたそうだけど、
表紙を見ても分かるが、なぜか「尻尾」がついていて、ちょっと不思議。
国際カップルの関係を書いてある、とは言うものの、
「ああ、異文化コミュニケーションだなぁ」と感じるエピソードは、意外に少なかった。
スンホくんが、リナさんの「親」までをも、とても大切にするというお話。
一緒に異国人になって江ノ島を楽しんだときに感じた異邦人の感覚。
そして、「健康食品」とか「トイレットペーパー」のエピソードといったものは、
まさに「異文化」の部分がみえてきて、面白いと思う。
けれど、それ以外の部分では、ごく普通の国内カップルと、たぶん、変らない。
例えば、
「スンホくんに日本を紹介したくて、リナさんが彼を東京の名所に連れて行く」
というエピソード。
オチは、「その名所は、スンホくんもが既に行っていた」という方向なんだけれど、
これって、日本人同士でも、友人同士でも、良くあることだと思う。
東京にいる者にとって、
「東京タワー」や「お台場」はわざわざ行くところでも無いし、
むしろ、地方から東京に来た人の方が情報だけは多い、なんて事もある。
最近は、テレビ等で「各県の不思議な習慣」が話題になる事が多い。
(もしかしたら、この本がそういう関心の基点だったのかもしれなけど)
「正月の雑煮」の違いから、「時間の告げ方」の違いまで驚くばかり。
だから、極端にいえば、育った環境が違うのだから、
国内カップル間の意思の疎通であっても、本当は、難しいものだと思う。。。
「違わない方が不思議」なのだ。
むしろ、こうして本になったのをみると、本当に読みたかったのは、
「こんなにも、似ている」という部分だった気がする。
「いろんな価値観が違う中で、出会った二人はこんなにも似ていた」
というエピソードは、ほとんどなかったなぁ。
で、、、気になるんだけど。。。
この本は出版されて2年半が経過しているのだけれど・・・
彼らのホームページか、いまは404になっている。http://www.showinjapan.com/http://book.magazine.co.jp/pickup/ss1736/
さて、、、彼らは、いま、どーしているのかしら?
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