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2009年5月14日 (木)

『Living Library』

『Living Library』をご存知でしょうか?

直訳すれば「生きている図書館」という意味になりますが、
この図書館が貸し出すのは、
様々な経験をした人」ご本人なのです。
誤解や偏見を受けやすい立場の人を【本】として貸し出すことで、
そういう人達と接する機会の少ない人に「知ってもらう」のが目的の図書館。

詳しくは、こちらのページを読んでいただきましょう。

で、この『Living Library』が、
なんと、あの「東京大学先端科学技術研究センター」において実施される事になり、
そのプレイベントが、新宿・歌舞伎町の『LOFT/PLUS ONE』でありました。

先に余談をしますが、
このライブハウスは、【トークライブハウス】というユニークな場所で、
150人ほどのお客さんを前にして、トークを聞かせるという趣向なのです。
「面白いイベントならなんでもOK」
というこのライブハウスは、いろんな可能性を秘めていると感じました。

閑話休題

本来の『Living Library』は、1冊の本(1人の語り部)に対して、
読者が1人、ないしは数人のグループというスタイルだそうです。
が、今夜のイベントでは150人の客席を相手にした変則スタイル。
 (尤も、本当に純粋な観客は、私だけだったのかもしれない・・・)

用意されていた本のタイトルはこの3冊でした。

book 『転職スパイラルからの脱出』

 語り部は「発達障害(本人曰くADHL)」の人で、
 自分にそういった障害がある事に気付く前後の意識の違いなどが主題。
 司会というか、インタビューアを務めた、中邑賢龍教授に導かれてのその話は、
 この病気の発見の難しさなどを教えてくれるけれど、
 けっして重苦しくは無く、むしろ、本当の自分と向き合う心地よさを感じさせてくれる。
 また、PC、ネット、携帯電話といったインフラの可能性と意義を教えられました。

book 『見えない人の見る夢』

 この本の語り部は、4歳の時に全盲となった人。
 とっても朗らかでユーモアのある人で、話に引き込まれました。
 「目が見えない人は夢を見るのか?」という疑問から始まったこの本の内容は、
 つまるところ「夢とは経験の集約だ」という感じで、
 「人は、自ら経験した事に縛られているのかもしれない」という気付きが面白い。
 また、「新しいもの」とか「美しいもの」という概念が、
 「視覚による判断だけで成立しているのだろうか?」という命題も興味深い。
 みかん星人が思うに、それは「意識のベクトル」の問題だと思うのだけれど、
 ほんの数分、たぶん30分程度、のこの読書は、実に意義深いものでした。

book 『レズビアンは男が嫌いか?』

 本の語り部は、インターネットの検索で「レズビアンという生き方」に出会って、
 以来、ポジティブに自分が求める生き方をしている人。
 「レズビアン」を肯定的に捉える事で楽に生きているというその様子は、
 特に【男】に感じてしまうジェンダーに敏感であったり、
 ついには「恋愛の本質」にまで迫る本でした。

どの本も読み応えのあるもので、
確かに、一対一でとことん読み耽ってみたいものばかり。
普通の(まともな)本も、著者の経験と思考を受取る素晴らしい存在だけど、
この『Living Library』の蔵書は、立体的に読みこむのが可能であるとともに、
なによりも「本物である」事が大変に魅力的だと感じました。

今月29日、30日には、
駒場の先端研で本当の『Living Library』を読む事ができるそうです。

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