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2009年4月 2日 (木)

『風の馬』

「Free Tibet」という言葉が世界を席捲していたのは去年の今頃。
長野での聖火リレーが注目を集めたのは08年4月26日。
けれどその後、多くの日本人は「チベット問題」を忘れてしまったかのようだ。

その、世界の注目を集めた「チベット」を題材にした映画というと、
ブラピの映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット('97)』か、
あるいはスコセッシの『クンドゥン('97)』を思い浮かべるところか。
奇しくも同じ年に作られたこの2作品は、
前者はそのうち20分ほどが極秘でチベットで撮影されたらしいが、
基本的にはアルゼンチンでの撮影であり、
後者『クンドゥン』は、その殆どがモロッコで撮影されたという。

4月11日から順次全国で公開される『風の馬』は、
その翌年1998年に制作されたチベットを舞台にした映画。
そして、本当に、多くの場面をチベット、
また他の部分は隣国のネパールで撮影してある映画だ。

最も驚くべきことは、この作品の肝ともいうべき場面、
すなわち、尼僧が街の中で「Free Tibet」と叫ぶ場面までをも、
ネパールのカトマンズでゲリラ的に撮影したということ。
そのビデオテープは奇跡のようにアメリカに運ばれたという。
ほかにも多くの場面がチベットで撮影され、その空気を伝えている。

正直いって、この映画がこうした苦労の末に作られた事を知らないと、
映像として、また物語として、もの足りないものを感じてしまう。
啓発映画的であったり、テレビドラマ的な部分が多いからだ。
しかし「世界に伝えたい」という制作意図や、撮影の苦労を感じる画角、
エンドクレジットに溢れる"withheld"「(氏名公開)保留」の文字を観ると、
そうしてまで作ろうとした気力が画面の中に充満しているのを感じる。
(それでいながらユーモアを忘れていないところが素敵でもある)

「チベット問題」を考えるとき、何が最も正しいのか?は難しい問題だ。
この映画でも「Free Tibet」と叫ぶのは、古のチベット【支配層】の尼僧であり、
チベットに在住する、仏僧に仕えてきた立場の【庶民】という設定ではない。
ただ、この映画を観て、改めて確信できることがある。
それは「信条を公言すると命が危うくなる社会は間違っている」という事だ。
我々もまた、その願いを書き込んだ「風の馬」を空に飛ばし続けたいと思う。

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