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2009年2月25日 (水)

『ジーザス・クライスト=スーパースター ジャポネスク・バージョン』 @ 自由劇場

とうとう、あの自由劇場に『ジーザス・クライスト=スーパースター』が掛かった。
しかも、短いながらも両バージョンの連続公演!
・・・と、夢が叶った気分ではあったものの、なぜか興味がわかず、
時期が時期なのもあって、ほとんど見送るつもりでいた。

ところが、ここに来ての「イベント発生」で、俄然興味が湧いてきた。
なにしろ、あの「大八車」を間近で、もしかしたら触れる?チャンスの到来。
行こうか行くまいかを適度に迷って、結局2階席をポチッとしてしまった。
かねて「自由で芝居を観るなら2階から」と思っていたけれど、
この『JCS』の、とりわけJVであれば、間違いなく2階から鑑賞すべきだ。
観劇後にイベントで1階9列に座ったけれど、
想像どおり大八車の動きが分かり難い、、、というか、見えない。

まるで舞台正面のジェクル・ギャラリー(キャッツ・シアター)の如き2階。
そこに座って観ると分かるのだけれど、
このステージの「奥行き」がもたらす臨場感はたまらない。
そしてその「奥行き」がもたらす、強調された遠近感。
ユダが自分の行為に愕然とし狂い出すその心を目前で受け止めてしまう。
その狂気は極度にデフォルメされているとはいうものの、
手を延ばせば届きそうなところで演じられるその姿を通じて、
この演目が伝えたいメッセージの核が、
自由劇場の舞台には確かに存在していた。

ただ、自由劇場でなら可能かな?と思っていた、
「マイク無しでのパフォーマンス」は、叶わなかった。
これは、とても残念。

イベントに関しては、別の記事に、、、「続き」では内容に立ち入りますぞ。

2004年の時には安い席に足繁く、
2007年にはイベント中心に適度に通ったこの演目は、
みかん星人も「とりわけ好きな演目」と公言するものではあるけれど、
実際のところ、本当に凄かったのは中野サンプラザで一度だけみた舞台。
その後は、幻を求めるような、まさに幻覚を確認するような観劇だ。

で、今回、自由劇場に掛かって、
(そうあってほしいと望んでいた)比較的斬新な面子の舞台と分かっても、
「待ってました!」と思えなかったのは、
ジーザスとユダに「ときめき」を感じなかったから、かもしれない。

ところが、今回の金田俊秀くんのジーザスは、思ったよりも良かった。
彼の声には、まさに「カリスマ性」があると思う。
特に『ゲッセマネの園』で聞かせてくれるロングトーンは圧巻。
ただし、ファルセットを使わなければ、という条件がある(笑)

もはやベテラン・ユダの感がある金森ユダは、
相手が若い金田ジーザスだからか、「体当たり」ではない「内省的」なユダだ。
「自嘲的」になりそうなのをギリギリで駆け抜ける感じが痛々しい。

そう、この『JCS』はおよそ100分を駆け抜けるような舞台で、
一度動き出すと途中で降りられない。
今夜の舞台でも、途中の拍手は二度だけで、観客は強引に結末まで牽引される。
そんな中で唯一の「息抜き」がヘロデ王の場面だけれど、
星野光一くんのヘロデは、衣装が変ったお陰もあって、
とても正当な方向で過去の呪縛から上手く逃げている。

それにしても、ここの「歌舞伎」な場面を観ていると、
「せっかくの自由劇場なのに、ヘッドセット・マイクを使うのは勿体無い」と思う。
最近読んでいる本によると、
「ミュージカル・プレイは、マイクを使った時から衰退した」そうだけれど、
自由劇場でなら、ストレート・プレイの時のように、
ステージ上に置いたマイクで拾う程度にできないものか?
音楽がロックだから、対抗するには仕方ないのかもしれないが、
2階席からなので分からなかったけれど、アンサンブルはノーマイクのようだし、
なんとか、マイク無しでのミュージカルに挑戦してみてほしいものだ。

自由劇場といえば開幕ベルも特徴あるものだが、
およそ2000年の時間を遡る響きがあって、この演目にはとてもよく似合う。
あと5回だけの『JCS』のJV。
イベントもあるようだし、時間と資金があれば、通いたいところだなぁ。

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