『007/慰めの報酬』
007シリーズ22作目『慰めの報酬』を観てきた。
原題は『Quantum of Solace(慰めの分け前)』で、ほぼ原題のままの邦題。
ただし、字幕は戸田氏なので、当然のごとく、物語は伝わり難い(爆)
前作『カジノ・ロワイヤル』のまさに続編なので、
できれば、というか、是非とも、前作を見直してからの鑑賞をお薦めしたい。
なにしろ、本当に分かり難い物語になっていて、
例えば「ヴェスパー」という名前を知らないだけでも置いてきぼりにされてしまう。
なぜこれほどまでに面倒な物語にしたのか理解に苦しむけれど、
要するに、ずっと前から言われている「悪役の不在」が原因だろう。
「対テロリズム」にしたところで、この諜報部員(つまり国家)レベルで考えると、
「本当に正しいのはどっちなんだろう?」
という部分で面倒な事になりかねない。
(実際20作目の『タイ゛・アナザー・デイ』では失敗していると思う)
思い切ってストレートな物語にして、
ややこしいボンドガールも無しにして、
単純に黒幕を追って死体の山を築く映画でも良かったかもしれない。
悪役・黒幕に魅力は無いものの、今回の「お宝」はちょっと面白い。
そしてやはりアクションシーンの凄さは、クレッグ君ボンドならではのものだろう。
しかも「どかで見たようなアクション」なのが面白い。
冒頭のカーチェイスは『私を愛したスパイ』や『ユア・アイズ・オンリー』を思わせるし、
ヒッチコックの『めまい』を思わせるアクションもあって、
「ホテル・ミラコスタの屋上にこんなアトラクションがあっても良いのに」
なんて思ってしまったり。
他にも『ゴールドフィンガー』を思わせる場面もあり、ちょっとニヤリ。
また、この映画のアクションは「肉体の痛み」を感じさせてくれて、
こういうところに「イギリス映画」を感じたりもする。
(例えば、フランシスの競馬シリーズにも共通するような「痛み」だ)
2時間未満という、007には珍しい短い映画であり、
「ややこしい物語」を追わずにアクションの楽しさに没頭してしまえば、
それなりに、大人が楽しめる映画だと思う。
ところで、中でオペラの『トスカ』を背景にした場面がありました。
なんでも、オペラ芸術の中でも重要な作品らしいのだけど、
超オペラ初心者のみかん星人にはこの物語との関連が不明。
いつも読んでいるブログ「劇場の天使」さまで、やはり関連が高いと分かったので、
ちょっと、時間を作って観てみたいと思っているところ。。。
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コメント
カトキチさん、コメントありがとう。
これ、この週末に公開かと思っていたら、来週なんですねー。
カトキチさんの記事も楽しみです。
投稿: みかん星人 | 2009年1月16日 (金) 午後 09時18分
もう見てるぅ、いいなぁ、いいなぁ。
投稿: カトキチ | 2009年1月16日 (金) 午前 01時09分