『時代を駆け抜けた二人 白洲次郎と白洲正子展』 @ 松屋銀座
汐留に出たついでに、白洲夫妻に関する展覧会をみてきた。
「白洲次郎」氏と、「白洲正子」氏は、
激動の昭和初期において「わたし」を確立し行動していたインテリ。
特に白洲次郎氏は、みかん星人の憧れの大人だった。
(田中角栄氏が逮捕され、メディアが彼を扱き下ろす様子を見て、
「かつてメディアは田中氏を昭和の英雄として讃えていたのに、
その自らの不明を詫びることなく彼を酷評するのはおかしい」
と発言した、らしい。それを読んで当時高校生だった私は興奮した)
「PRINCIPLE」という、日本語にし難い言葉が彼のテーマ。
簡単に言うと「原理、原則、主義、方針を尊守する」という感じかなぁ。
イギリスに留学していた彼は、昭和3年に帰国して、
翌年に伯爵のご令嬢と結婚するのだけれど、その人が正子さん。
彼女はアメリカ留学から戻ったところだったそうだ。
昭和15年に、当時は「いなか」だった東京町田に家を構え、
そこには、仲睦まじい二人、ではなかったらしいが、
二人の価値観が独特の様子で組み合わされた生活があったらしい。
選び抜いた古美術と西洋の共生を感じる展示だった。
ただ、それが独自の「何か」を生み出しているという事はなく、
見学者が展示されていたものを意識して紡がない限り、
並んでいるのは「昭和初期の贅沢が集結しているだけ」にも見える。
逆に言えば、見学者は、
「君に、この審美眼と選択理由が理解できるか?」
と、問われているような展覧会だ
確かに、財力だけがあっても、こういう生活はできないと思う。
けれど、財力がなければ、こういう生活は無理だ。
さて、白洲州次郎氏と言えば、近衛文麿氏との親交も有名で、
その息・近衛文隆の教育係でもあったらしい。
近衛文隆といえば「夢顔さん」で「ボチ」なのだけれど(笑)
劇団四季で彼を演じていた石丸さんが、
白洲氏を取り上げたドラマに登場するらしい。
ちょっと、楽しみ。
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