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2008年8月14日 (木)

野田版『愛陀姫』 @ 歌舞伎座

歌舞伎の鑑賞は、これで6回目ぐらいかな?
「野田秀樹」氏が演出した舞台を観るのは3本目かなぁ?

どちらにも、当然、独特の「様式」があって、
で、今回の『八月納涼大歌舞伎』の第三部に登場した『愛陀姫』は、
そのふたつの「様式」が縦横に織りあって、実に楽しい作品になっていた。

Kabukiza

とりあえず、公式に書かれた「みどころ」で、
ここにおいでの『アイーダ』ファンに笑っていただきましょうか。。。

野田版 愛陀姫(あいだひめ)
 美濃の領主である斎藤道三の息女濃姫(勘三郎)は、密かに思いを寄せる木村駄目助左衛門(橋之助)を、父の道三(彌十郎)に認めさせようと思っています。そこで濃姫は、家臣の多々木斬蔵(亀蔵)が城下から連れてきた祈祷師の細毛(福助)と荏原(扇雀)を使い、駄目助左衛門に隣国織田家との合戦の先陣役に任じるお告げが出たように見せかけます。そして駄目助左衛門は見事に功を立てますが、実は濃姫の下女の愛陀(七之助)に思いを寄せており、先陣の功として愛陀を賜ろうと思っているのでした。
 やがて美濃に織田軍の捕虜が連れられてきますが、愛陀が父と呼んだ人こそ、織田信秀(三津五郎)。実は愛陀は織田家の息女であったのです。一方、濃姫は愛陀が恋敵と知り、また愛陀は祖国の尾張のために働こうとし…。オペラの名作「アイーダ」を野田秀樹が歌舞伎に翻案した話題の舞台をどうぞご期待下さい。

さて、観て数日経っての「残像」が、演劇に限らず、大切。
食事にしても、映画にしても、もちろんデートだって、
「3日」経ってもありありと思い出せて微笑めるものが「本物」でしょう。

で、まあ、「歌舞伎座」という全く不慣れな劇場で観た事もあってか、
既に「背景」とか「舞台の大きさ」といった情報は欠落していて、
ただ「面白おかしく聞こえてきたヴェルディの音楽」と、
なにより強烈な「日本語で語られる『アイーダ』という物語の可笑しさ」ばかりが、
頭に残っている感じ。

まずその音楽だけど、
「歌舞伎の舞台で、こんな事して良いの?」
というのが正直なところで、実際、耳にしても「違和感」ばかり(笑)
そもそも、オペラ用の音楽だから、大変に重厚なイメージなのに、
その中からメロディーだけを取り出している「軽さ」も強烈。
もちろん、オーケストラじゃないしねsmile
更に更に、あの「凱旋行進曲」で盆踊りだから、凄い。

この「本家を小馬鹿にしたような感覚」は、そもそもタイトルからしてそう。
「アムネリス」を歴史上の人物「濃姫」にしたはともかく、
「アイーダ」は「愛陀姫」と、どうにも怪しいが、
「ラダメス」が「木村駄目助左衛門(きむラダメスけざえもん)」と来た日には、
これは、確信犯的な「もてあそび」を感じて、
「だったら、そういう観方をさせていただきましょう」
という気分で、まさに「物見遊山」。

尤も、実際に「物見遊山:価値あるものを見に行くこと」だったかどうかは、
歌舞伎初心者の私には分からない。
ただ、「夜の部」で先に『紅葉狩』という狂言が上演されたが、
これも、そもそもは「能」の一曲で、
それを約120年前に團十郎が「歌舞伎舞踊」として披露したものらしい。
勿論「能」と「歌舞伎」の距離は、「オペラ」と「歌舞伎」の数万倍近い関係だけど、
「歌舞伎」の許容範囲、というよりも、あえて言うなら、
「面白い物語は、どんなメディアでも面白い」という事を再確認できたと感じた。

さて、その「面白い物語」に関して。
ティムライス版『アイーダ』(あえてこう呼ぶ)を何度も観ているので、
主要3人の「思い」は充分に理解していた。
また、何度か舞台で、またDVDでも観ていたオペラの『アイーダ』でも、
時折文字が足りなくて妙になる翻訳字幕を目で追いつつも、
ティムライス版のお陰で得ている情報で人物の感情を補って、
さらに圧倒的な歌唱に導かれて、感動の極みに何度も運ばれた。
それは、やはりこの3人の物語に魅了されたからだと思う。

此度の『愛陀姫』は、その物語が、オペラの脚本にかなり近い状態で、
全編を「日本語」として「語られる」のだけれど、
その「日本語で語られたアイーダ物語」という部分の印象が深い。
正直なところ、台詞がとても表面的(笑)
ライス版『アイーダ』のような深さがないし、
ヴェルディーの音楽につられて無理やり与えられる感動もない(爆)

図らずも、改めて、
「音楽」というか、「ミュージカル・プレイ」が持っている魅力を再確認。
言葉だけではなく、それがメロディーに乗る事で生み出される力は、
やっぱり「麻薬」なのかもしれないdelicious
ただし、やはりこうして日本語で語られる「アイーダ」の物語を知ることは、
ちょっと面白い体験だし、
歌舞伎の台詞回しの中に、野田調の強烈な言葉が組み込まれると、
ちょっとした瞬間に「言葉のニュアンス」にハッとさせられる。

ともかく、ライス版の『アイーダ』が無性に観たくなった舞台でした。

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コメント

気になってました、愛蛇姫。
幕見で観に行こうかとも思ってるんですが、夜の三幕目
ってとこで迷ってます…(^^;)
レポの続き、ぜひぜひお待ちしてます!

投稿: えみーご | 2008年8月16日 (土) 午前 12時04分

えみーごさん、コメントありがとう。

もし、迷っておられるのなら、
そして、オペラの『アイーダ』がお好きでしたら、
ぜひ一幕、観に行ってください。
ただし、すごく並んでいます!

歌舞伎+野田、オペラ、ミュージカルと観てきて、
改めて、ティムライス&エルトンの『アイーダ』の人物描写の凄さに感嘆しています。
私は、やっぱり、ミュージカル好きなんだなぁ。。。

投稿: みかん星人 | 2008年8月16日 (土) 午前 12時30分

ひゃあそういう話だったんですね!!(笑)

ちょっと観たいかも・・・

投稿: ハイタカ | 2008年8月16日 (土) 午後 02時02分

ハイタカさん、コメントありがとう。

たぶん、今回の興行が最初で最後という気がします。
ネットでいろいろと探すと、評価しない人も多いみたいですし。

うーん、、、私は、歌舞伎初心者だからかなぁ、すごく面白かったsmile

投稿: みかん星人 | 2008年8月18日 (月) 午後 10時10分

>みかん星人さま
かなり見たいぞと目論見ましたが,福井トニーに財布が燃え尽きましたので見送りました。
新作って一年はかかりますよね。歌舞伎は通年興行。25日休みなしで5日休んでもう次の公演が始まるシステムでは,公演中にお稽古しなければならないから大変です。
シネマ歌舞伎になってくれると信じているのですが…。

投稿: とみ(風知草) | 2008年8月19日 (火) 午後 12時17分

おとみさん、コメントありがとう。

福井トニーが戻るとは思っていなかったみかん星人です。
我が家にも、財布を燃やしている者が、若干名、います。

怖いことです。。。尋常なことではありません(笑)

お稽古の凄さは、やはり「習うより慣れろ」といったところですかねぇ?
ん?用法が違いますか?(笑)
ともかく「お稽古」が日常の人々という事かもしれませんね。


そーいえば、先日のNHKに市村正親さんが出ていて、
「舞台の最中に次の舞台の稽古をして、台本を読む男」
と紹介されていて、なんか、笑いました。

投稿: みかん星人 | 2008年8月19日 (火) 午後 11時41分

こんにちは。みかん星人さん。
TB&コメント返しですbleah

愛陀姫では、観客も大いに楽しんでるようで、
笑い声が絶えないのも、印象的でした(笑)
初めて買った、歌舞伎座のお弁当も美味しかったsmile

投稿: るい | 2008年8月24日 (日) 午後 12時29分

るいさん、コメントありがとう。

をを、まさに「幕の内弁当」でしたか?
歌舞伎座とか、新橋演舞場(『鹿鳴館』)では、
座席でお食事ができるんですよねぇ。。。すごい違和感でしたが、
「腰をすえて観劇する」感じが、なんか面白そうでした。

そーいえば、昔は、
「おせん(べい)にキャラメル、アイスクリームはいかがですか?」
と、場内を売り歩いていたものでしたねぇ。。。浅草の劇場とか。

投稿: みかん星人 | 2008年8月25日 (月) 午後 10時11分

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» 『愛陀姫』(8・15) [猫の舞台屋さん]
アイーダの歌舞伎版が上演される・・・というウワサを聞きつけまして[E:happy01] 私の中で、『アイーダ』はミュージカルのアイーダ。愛陀姫はオペラ版を変えて [続きを読む]

受信: 2008年8月24日 (日) 午後 12時18分

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